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作者:西織

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作:西織

ウィザードリィ・ゲーム

 ウィザードリィ・ゲーム。  それは、魔法士たちが織りなす魔法競技。  魔法という概念が認知された架空の現代。魔法士たちが技術を競い合う、ウィザードリィ・ゲームが興行として人気を集めていた。  第一部 まだ青き出藍の鏡  かつて神童と呼ばれた少年、久能シオンは、四年前の事故の後遺症で、魔法士としての実力の大半を失っていた。その頃の情熱を失いながらも、未練がましく魔法学府の末席を汚していたシオンは、ある日、ファントムの少女である七塚ミラから声をかけられる。 「――ウィザードリィ・ゲームで、わたしを一番にしてください!」  ミラのお願いを初めは断ったシオンだったが、彼女のひたむきな姿に惹かれ、ゲームに参加することになった。  これは、かつての実力を失った少年と少女が、再起を図るの物語。  第二部 言霊の幸わう国  草上ノキアは、人生に諦観を覚えていた。  まどろみの中にいる時だけが、誰よりも自由で、何者よりも自由な時間だった。 「面倒は嫌だし、きついのは論外だ。つらいことも、少し我慢すれば過ぎてくれる」  おそらく自分は、そうして全てから逃げて生きていくのだと、彼女は信じて疑わなかった。  そんな彼女は、ある日クラスメイトの久能シオンに、一つのお願いをする。 「私の恋人のふりをしてくれないかい?」  立ち向かうは、神代より続く魔法の大家。  家同士の婚約を義務付けられたお嬢様を助けるために、久能シオンは神咒宗家のお家騒動に巻き込まれてしまう。  第三部 抗いの拳 Desire for recognition  少女は孤独だった。  誰も認められない。誰にも理解されない。その孤独を抱えて生きていた少女は、一人の少年と出会った。 「やっと……見つけた」  八年前、二人は出会った。  四年前、二人は敗北を経験した。  そして、今。  神童だった少女は、神童だった少年に挑む。

更新:2019/12/26

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