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作:萩月絵理華

偽称の虚言者 ー嘘を吐(は)く正直者ー

 今から二年前。能力者と呼ばれる人間の死体が発見された。その一年後、また別の能力者の死体が見つかる。しかし不思議なことに、どちらの現場にも犯人に繋がる証拠が一切見つからない。そこで異能力事件専門捜査室の捜査官・泉小路小夜は上司からの任務を胸に、死亡した彼らと同じ、能力者たちが住む施設を訪れる。  そこで小夜は、自分のことを「嘘つきだ」という謎の男・京谷要と遭遇する。「嘘つき」を自称する要は「死にたくない」と言いつつ自分の命を簡単に賭けたり、賭け品を増やして自分を極限まで追い詰めたりする人物だった。  要の持つ能力は二つあり、その一つが『嘘を信じ込ませること』らしい。だが、小夜にはそれが本当のことなのか、ただその「嘘」を信じ込まされているのか分からない。  そして要は小夜に、二年前と去年に起きた事件の犯人は自分だと明かす。捜査室も得ていない情報を淡々と話す要だが、小夜にはそれも嘘なのか本当のことなのかも、要の能力で「信じ込まされていること」なのかも分からない。一層不信感をあらわにした小夜に、要はこう言う。「僕は嘘つきだよ」と。  果たして自称「嘘つき」の彼が語るのは、嘘か本当か。彼は最初から嘘しか言っていない嘘つきなのか。それとも最初から一つも嘘などついていない正直者なのか――。

更新:2021/4/17

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作:玉椿 沢

DEAD END,STRANGLE

 今ではない時代、ここではない日本で、社会の生産に何ら寄与しない異能力者たちは、考えている振り、悩んでいる振りしかしないがために、行き詰まる。行き止まり、雁字搦めで行き着く先は、精々、小銭を稼ぐために殺し合う舞台だった。  劣った能力しかない少年たちは、自らが絶対に守るときめたもののために自ら、あるいは悪意によって強制的に舞台に上がり、大火力、大規模な異能と戦う事になるが、常に少年たちには、不利は敗北に直結しない事を教える大人たちがいる。 序章「隣り合わせの死と苦痛」  舞台に上がる的場孝介と仁和の姉弟。二人は戦う。両親が遺してくれた生活を守るために。 「素人が、これしかない、と思って出した答えは抜け穴ですらない。既に先人が考え、不可能だと断じたものである」 第1章「君がなくした僕の夢」  的場孝介と仁和の姉弟を鍛える矢矯 淳。自身も劣った能力しか持たないが、必勝の手段にまで高めた男であるが、彼とて問題を抱えている。 「役者とヤクザは一字違い。自分の気分で出したり引っ込めたりするものは好意ではなく、誠実とはいえない」 第2章「払い戻した命」  かつてクラスの生け贄役として不満を全てぶつけられていた弦葉陽大。その、たった一度の反撃で起こった事故。その法で裁けない「罪」のため舞台へ…。 「この世に存在するものに必要なのは廃止ではなく、常に追加である。特に法律は1000万人に一人だとしても、この悲劇を訪れさせてはならないからこそ定められている」 第3章「出せない手紙と、効かない薬」  劇団の維持と矢矯の復讐を秘めたルゥウシェ。クラスの生け贄役にされている小学生・鳥打 基と交わった時、新たな物語となる。 「40人中39人が望み、39人には何も不満のない世界になるが、これを楽園と読んでいいはずがない」 第4章「斬ると決めた日」  失地回復を狙う世話人・小川は、北の地より新たな百識を呼び寄せた。 「守ると決めた者のために、自らを傷つける事に躊躇いのない者もいる。命とは必勝の手段に過ぎない」 第5章「君が唄う、悲しみのサーバント」  医療には《導》がない――そう伝えられている。医療の《導》を使う者は、他の百識によって徹底的に狩られたのだ。一部の例外を除き、存在しない。  医療の《導》を現代に引き継いでしまっている聡子は、その境遇から、あの少年を蘇られてしまう。 「人の言葉を善意で解釈できる事は、この世で最も好ましい長所の一つである」 第6章「仮面の下の涙を拭え 」  孝介が懐く劣等感。もらいものばかりで、自分で手に入れたものがない、と。 「気性はどうしようもなく行動を縛る。聖人君子であっても悪人であっても」 第7章「昏き剣、輝く勇気」  安土の管理できなかった舞台の代償は、大きく孝介を蝕む事となる…。 「言葉には行き違いがある。嘘も吐ける。唯一、嘘を吐けないのは行動であり、未来だけである」 第8章「鈍色の鬼神、月華の下で我らは死なず」  聡子と安土の関係。秘密を掴んだ小川は要求した。安土が世話人として関わる全ての百識全員を舞台に上げろ、と。 「ブスだから世の中が冷たいのかも知れないし、世の中が冷たいからブスになるのかも知れない。しかし、それを直視できる者は佳人である。佳人を救うのに躊躇いなどない」 第9章「隻眼の月・誰がために君は泣く」  北県に居を構える鬼家月派。その屋敷を今日、二人の少女が追われる。幼い頃の疾病により左目を失った会は、当主になれないからだ。会が従者である梓を連れて向かうのは南…人工島以外にない。 「他者に依存している想いは繋がらない。手段の目的化があるのだから。平和のため魔王の打倒を目指す勇者たちも、三代目ともなれば平和よりも魔王を倒す事が目的となる。魔王が死んだ後、その想いは消えてしまう」 第10章「炎の海で焼かれよ、彼奴が魂」  梓を舞台へと引きずり込んだ小川は、着々と進める。失点を冒した者たちの処断と、失点させていった者たちへの制裁の準備を。  そして梓と会の存在を押さえた小川は、とある百識の直接対決へと繋げる…。 「やりたい事、やれる事、やるべき事は大抵、食い違う。この内、2点が一致したならば、すべきではない事であっても人は動いてしまう」

更新:2023/9/17

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作:天方セキト

戦ノ神の新約戦記

 人間、魔獣、亜人の三種族が支配する世界。人間は創造性を活かした発展を、亜人は本能によって生きる魔獣から人間を救う立場に、魔獣は生命活動のサイクルを回す役割に。全く別の役割を持つ存在たちは共利関係によって長き時を経て発展を行なっていく。しかし、発展による人間たちの総数が増加。増えに増えた人間は口減らしのため、亜人へ宣戦布告を開始。その結果、歴史に名を刻む大戦争「人魔大戦」が勃発する。亜人は全滅。高笑いをする人類を蹴落とすように目を覚ましたのは今まで亜人によって狩られてきた魔獣。亜人が死んでいったことにより魔獣は急激に繁殖を始め、亜人の怒りが乗り移ったかの如く活性化をしてしまい、今や人類の脅威と成り果てていた。    一方、世界を創った神の世界でも影響は起きている。亜人が全滅したことにより役割を失った亜人側の神は次々に死んでいった。役割を失った神は死ぬ、それが神の掟である。戦ノ神、マルスはその罪を一方的に被せられ天界からの追放を受ける。だがその人魔大戦はマルスの予想を遥かに越える大戦争の幕開けなのだった。堕落した戦ノ神が下界に降り、過去の因果に立ち向かう新たな神話。これは神より堕ちた戦ノ神の新約戦記、世界の均衡を保つマルスの戦いが始まる。

更新:2024/1/15

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作:浅木夢見道

黒の棺の超越者《オーバード》 ー蠢く平行世界で『最硬』の異能学園生活ー

 流されやすい現代っ子の間宮真也には、『トラウマ』がある。  その経験は、彼に深い無力感と一つの信念を植え付けた。  間宮真也は中学3年生の冬に並行世界の日本の首都『新東都』へと転移してしまう。  彼は、転移直後に虫の化け物『殻獣』と対峙し、それに対抗する力を持つ異能者『オーバード』として覚醒する。  世界でも12人しかいないとされている最上位のオーバード、『ハイエンド』の13人目となった彼は、オーバードたちの学校である異能者士官学校『東雲学園』に入学する。  何の因果か、彼の周りには同じく『トラウマ』を抱えた人々が集まってくる。  不思議ちゃんなロシア美女、ヤンデレ風味な妹、生意気な男の娘etc……  ドタバタとした学園生活と、殻獣から人々を守る軍人としての生活。  さらには新設された学生特別部隊に選抜され、世界を巻き込んだ戦いに、『最硬』の彼は否応なしに巻き込まれていく。 ※この物語はフィクションです。実際の人物、国家、企業とは何の関係もありません。特定の人種、国家、宗教を貶める意図はありません。 ※1章は導入、学園モノは2章から。そこのみを読みたいという方向けあらすじが第2章冒頭にあります。 ※2019/8/10、2019/10/12 タイトルを変更しました。(旧々題:異世界の俺は最強『だった』ようです→旧題:虫の化け物が闊歩する平行世界で『最硬』の異能者に覚醒した俺、異能者士官学校生活を満喫する。→黒の棺の超越者《オーバード》 ー蠢く平行世界で『最硬』の異能学園生活ー ) ※小説家になろうでも連載中。

更新:2022/9/9

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作:SunYoh

INNER NAUTS(インナーノーツ)〜精神と異界の航海者〜 第一部

ーー22世紀半ばーー 魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。 「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。 <第一章 「誘い」> 粗筋 余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。 「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。 ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー 「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ! そこで彼らを待ち受けていたものとは…… 【作品詳細情報はこちらから】 『INNER NAUTS (インナーノーツ)』ホームページ https://innernauts.com ☆サイトリニューアル、キャラクターページ追加しました! 【レビュー応援頂きました!】 https://novelup.plus/review/101556978/441487260 https://novelup.plus/review/101556978/643765121 ※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。 ※SFジャンルですが殆ど空想科学です。 ※レイティング設定:若干抵触する可能性がある表現が含まれます。 ※「小説家になろう」、「アルファポリス」でも連載中 ※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。

更新:2023/11/17

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作:水狐舞楽(すいこ まいら)

銀髪少女のメタルブリザード ~まぐれで入った激強パーティから『能なし弓使い』だと追放されましたが、おかげで命中率上昇&双剣使いに! 騎士団の即戦力でおまけに『王子』に囲まれているので戻る気はないです~

【序章】弓使いの主人公・クリスタルは、代々冒険者の弓使いとして名をあげるアーチャー家の末っ子であるものの、あまりにも下手で冒険者パーティから追放されてしまう。そのことを知った父に「アーチャー家の名誉を汚した」と言われ、家からも追放されてしまう。 【第一章】身寄りがなくなったクリスタルは、王都の中にある食事処兼宿屋の『サヴァルモンテ亭』の女主人に助けられ、店を手伝う代わりにそこで暮らしていくことになる。弓が下手なせいで小さいころから家族に冷たくされたクリスタルは、そこで初めて人間のあたたかさを知る。 趣味で弓をたしなむ女主人に誘われ、弓の練習を再開したクリスタル。安物の弓から良質な弓に買い換えたとたん、クリスタルの本当の実力が発揮される。 【第二章~】その実力は王国一の弓使いの目にも留まり、騎士団にスカウトされる。そして、弓だけでなく剣の才能も見出してもらえることに......! 【見どころ】反対にクリスタルを追放したパーティは、クリスタルが潜在的に持っていたある超能力がなくなったせいで、上級から中級に成り下がる。 加えてアーチャー家も、実は父以外はクリスタルの味方であり……。 そして、クリスタルを追放したパーティのリーダーと騎士団はとある接点があり……。 読み進めるたびに様々な謎が現れては結びついていく、ヒューマンドラマ。 〈総合ランキング日間24位〉 〈異世界ファンタジーランキング日間7位〉 〈エブリスタのトレンドランキング(ファンタジー)でも2位〉

更新:2022/3/31

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