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作:白石新

ロシア人が毎朝味噌汁を作りにくるんだが、ロシアといえばボルシチなので国籍詐称しているのではと俺は疑っている(ただし、日本人でも毎朝味噌汁を作るのは特別なことだと気づかないフリをしている主人公だとする)

 リョータの通う高校には男子たちに陰でコッソリ美少女四天王と呼ばれるベタな四人が存在する。  その中でも最強とされる北方担当:多聞天。  本人の一切知らないところで、そんな物騒な通り名を持つリーリヤさんだったが、見た目は細身の小柄で性格も引っ込み思案。  生まれながらに髪の色素が薄いアルビノで、全てが雪のように真っ白で儚い印象のロシア人だった。  そして、彼女はそのあまりの美しさに嫉妬したギャル二人組からいじめられていたのだ。  ひょんなことから彼女を助けたリョータだったが、お約束的にリーリヤさんはお礼と言ってお弁当を作って持ってくることになる。 「どうして私を助けてくれたんですか?」 「可愛いから」 「……え?」 「いや、だからお前が可愛いから」 「…………からかわないでください(赤面)」   グイグイ来られて困惑しながらも、彼女は成り行きから一人暮らしのリョータに食事を作りに行くという、見た目に似合わない大胆な行動に出ることになる。 「お前の味噌汁美味いな」 「ありがとうございます」 「毎朝お前の作った味噌汁飲みたいくらいだ」 「……絶対に私のことからかってますよね? 新手のイジメですよねこれ?」 「いや、からかってないし、イジメでもないけど?」 「……なら、本気にしちゃいますね(ロシア語)」 「ん? 何て言ったんだ?」 「……教えません」 「と、ともかくっ! 毎朝、お味噌汁作りに来ますからね!」  これは、ほぼ最初からお互いの気持ちに絶対に気づいているはずの二人の物語。 「で、アンタたち付き合ってんの?」 「付き合ってない / ません!」  そんな感じで、「はやく付き合っちゃえよ」じゃなくて「はやく付き合ってると認めろよ」と、友達以上恋人未満……否、ほぼ恋人な初々しい二人を眺めて「心がほんわかするんじゃあ!」と、そんな感じのニヤニヤ系甘々ほっこり物語である。 ※タイトル試行錯誤中  他の有力候補はこんな感じです。 試した結果、下の①~③はPVほぼ変わらないのですが、個人的には全部好きなので悩んでます。 ・案① お前の作った味噌汁を毎朝飲みたいと言ったら「本気にしても良いですか?」と、異国の言葉で君は確かにそう言った ~真っ白お肌なリーリヤさんは二人の時だけ甘々照れ照れいつも赤い~ ・案② グイグイ来られて困っているリーリヤさんは、ロシア語でなら反撃できる ~イジメられてるロシアの妖精を助けたら、なんか通い妻みたいになったんだが~ ・案③(最有力) 異国の地でイジメられて誰にも頼れないロシア美人のリーリヤさんを助けたら、なんか変なスイッチ入ったらしく料理教室に通い始めて毎日俺の家に料理作りにくるようになった件 ・案④(他のに比べて分かりにくいはずなのに、PV誘引力は他より少しだけ高い(はず)ので作者困惑中) ロシア人が毎朝味噌汁を作りにくるんだが、ロシアといえばボルシチなので国籍詐称しているのではと俺は疑っている(ただし、日本人でも毎朝味噌汁を作るのは特別なことだと気づかないフリをしている主人公だとする)

更新:2021/6/5

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作:木立 花音

僕たちの中から一人『消えた』、あの夏の日

 全てが幻想のようでいて、しかし、全てが真実だった。  誰かが他の誰かを想うことで、ひとつの奇跡にたどり着く。  ──これは、ひと夏の恋の物語。  病気で父親を亡くした少年、高橋都(たかはしいち)は、四年ぶりに故郷である神無し島に戻ってきた。  島根県の沖にあるこの島は、守り神がいるという言い伝えがある反面、神の姿を見た者は誰もいない。そんな状況を揶揄してついた名が、「神無し島」なのであった。  花咲神社の巫女である、花咲夏南(はなさきかな)と向かった先の川で、仲良しグループの面々と川遊びをしていた都。そんなおり、人数が一人増えているのに気が付いた。  しかし、全員が知っている顔で?  誰が、何の目的で紛れ込んだのか、まったくわからないのだった。  ――増えたのは誰か?  真相を知りたければ、御神木がある時超山(ときごえやま)に向かうといいよ、と夏南に聞かされた鮫島真人(さめじままさと)は、新條光莉(しんじょうひかり)、南涼子(みなみりょうこ)、に都を加えた四人で山の中腹を目指すことに。  その道中。『同じ道筋を誰かがたどっていた』痕跡をいくつか見つけていくことで、増えた人物の『正体』が、段々と浮き彫りになっていくのであった。  増えたのは誰だ?  増えた者はいずれ消えるのか?  恋愛×青春ミステリー、ここに開幕。  ※表紙画像は、SKIMAを通じて知様に描いて頂きました。  ※【これは、僕が贈る無償の愛だ】に、幽八花あかね様から頂いたFAを。【十年後。舞台は再び神無し島】に、知様から頂いたFAを追加しました。  ありがとうございました。 【登場人物紹介】 〇高橋都(たかはしいち)  本作の主人公。父親を心臓の病で亡くしたのち、神無し島に戻ってきた少年。心優しく面倒見のよい性格で、泳ぎが得意。医者になるのが、将来の夢。 〇花咲夏南(はなさきかな)  島の守り神を祀っている、花咲神社の巫女。自分のことをボクと呼ぶ、明るく元気な女の子。過去に都と会ったことがある? 〇鮫島真人(さめじままさと)  造園会社の息子で、明るく活発なクラスのムードメーカー。都がやってくるまで水泳部のエース候補だったが、彼が来てからというもの、ずっと二番手に甘んじている。 〇新條光莉(しんじょうひかり)  都と幼馴染の女の子。物静かで、優しい性格。心臓に先天性の病を抱えておりスポーツは苦手。病のせいで、いまひとつ積極的になれない自分の性格がコンプレックス。 〇南涼子(みなみりょうこ)  市会議員など、優秀な人材を輩出することで有名な、南家のお嬢様。  容姿端麗な美少女。都に思いを寄せているが、彼の気持ちが光莉に向いていることで、嫉妬の念を抱いている。

更新:2022/6/12

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