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作:北風荘右衛

異世界でカイゼン

マンガを読むように、さくさく読めてゲラゲラ笑える。そんな物語です。 式見優。40才。人当たりは悪く協調性はない。威張っているやつは大嫌いで、人にあれこれ指示されるのも嫌い。俺の言うことを聞かないやつは死ねば良いと思う。 合理主義者で直感力に優れデータの解析力も高い。だいたいの問題は集めたデータを見ているだけで分かってしまう。問題をいつまでも放っておく無能なやつには我慢できないので、いつも優しく罵倒してやることにしている。それなのにどうして俺はいつも嫌われるのだろう。 そういう男である。優は会社を辞めて発明家として食べて行くことを目指していた。苦節7年、取得した特許のひとつに事業化しようという相手が現れた。その日、ユウはうれしさのあまりに飲めない酒をあおって気を失い、気がついたらそこは日本によく似た「異世界」だった。 新たに生まれたわけではない。そこに住んでいたユウ・シキミ(12才)という少年と入れ替わったのだ。ユウは孤児であったが、周りにはそのような人間がたくさんいた。 日本語が通じて文化も日本そのものなのに、魔法というものが存在する世界であった。そして少しずつ優の世界とは違っていた。 混乱する優であったが、ここで生きて行くしかないと悟った。そして周りの人にこう言った。 「じゃあ、記憶喪失ってことで」 じゃあ、ってなんだよ! 自分で言うな!! と突っ込んだ周りだったが、この時気づいていた。ユウの中の人は異世界の人間と入れ替わったのだと。それはこちらの言葉で「カミカクシ」と呼ばれる現象だった。 ユウにはいきなり仕事が待っていた。貴族からの依頼で引き受けた刀に金めっきをするという仕事である。できなければこの会社は倒産する。そこまで追い詰められていた。 ユウは現世でのあやふやな知識と、生まれ持った「カイゼン」という特技を生かして、しかし自分では手を下さず指図するだけで問題を解決した。 そこでついた二つ名が「机上の天才」である。 このお話は、チートな能力もアイテムももらえず、自分の持っている知識と技能を駆使して、「カイゼン」することで異世界を渡り歩く男・ユウ・シキミ12才の、人の死なない邪道ファンタジーな異世界ギャグ物語である。 異世界で魔物を退治することもなく、金めっきをし、包丁を作り、ニホン刀を作り、魔王を使役してラーメンまで作るという、従来ではあり得ない斜め上世界(ダイアゴナル ワールド)をお楽しみください。 # エブリスタで連載中の作品を、やや遅れて配信しますデス。 # この作品では、残虐シーンは一切でてきません。それやると作者が倒れます

更新:2021/5/17

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