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作:ふみきり

海を支配した少女、絶海の孤島に実家を超える貿易都市を造る~家から追放され貴族の世界に絶望したので、幼馴染とともにのんびり開拓生活を楽しみます~

 王国最大の陸上交易都市を領内に擁する大貴族の長女ステラ・バルトゥコヴァーは、日本人の少女が転生した姿だった。  十二歳になったステラは洗礼式を迎え、神から【天啓】を授かる。  しかし、それは水の乏しい領内では何の役にも立たない《水流魔法》だとわかった。 「ふざけるなっ!」  ステラに多大な期待を寄せていた父は激怒し、絶海の孤島へとステラを追放する。 「あばよ、ステラ。もう二度と、おまえの面を拝む機会はないだろうがな」  兄の罵倒を受けつつ、ステラは幼馴染の従者の少年や幾人かの使用人と共に、大海原へと放り出された。  航海の最中、ステラたちは島を世界から隔絶させていた原因となる巨大な海獣に襲われる。  絶体絶命の危機の中、ステラは転生神たちの声を聞き、《水流魔法》の真価に覚醒、海獣を追い払った。  無事に島へと着いたステラは、《水流魔法》と頼れる仲間と共に、転生前の知識や前領主の記録を参考にして、のんびり開拓を楽しみつつ孤島を一大交易拠点へと変えていく。 「赤字なんて、あり得ないだろうが! これまで、ずっと膨大な黒字だったはずだろう!」  一方で、多くの商隊をステラの海上交易ルートに奪われた実家は、たちまち没落の憂き目をみることになった。 「今更戻ってこいなんて……。わたくしは今の生活に満足しております。お引き取りください、兄様」  とうとう、焦った父が臆面もなく復縁を迫ってきた。  しかし、ステラは使者として来島した兄を、鼻で笑って追い返す。  ドロドロした貴族の世界はもうこりごり。  このまま実家が没落しようとも、のんびりスローライフを楽しむんだ。  そう胸に誓い、ステラは今日も大海原へと漕ぎ出していった――。 【小説家になろうにも掲載】

更新:2020/11/28

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