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作:神崎あきら

ワラキアー眠れる龍の遺産ー

【あらすじ】 織田亜希は偶然訪れた神戸のアンティークショップで龍の紋章の本を手にする。本には異国の修道院の絵が描かれており、テレビ番組で見たルーマニアの修道院と似ていることから、不思議な縁を感じる。  その夜、赤い龍と黒髪の男の夢を見る。男が中世ルーマニアの小国、ワラキアの君主ドラキュラ公と知った亜希は彼に興味を惹かれるようになった。ルーマニアへの旅の計画はトントン拍子に進み、それは不思議な力の導きにも思えた。  ルーマニアの首都ブカレストに到着した亜希は、ガイドドライバーのエリックに出会う。楽しい観光旅行は順調に思えた。 しかし、ブラショフの街で彼が本来のガイドではないという疑いが浮上し、亜希は混乱する。不思議な夢と、エリックの口から語られる本の真実を知り、亜希は彼と彼の友人である大学生のシュテファンと共にドラキュラ伝説を辿る旅を決意した。 龍の紋章の本を巡り、邪悪な心を持つラドゥ、メフメト、白装束の男たちが三人を付け狙う。亜希とエリック、シュテファンは本に記された場所に隠された水晶を探し出し、龍の力の封印を守るために奔走する。 五つの水晶を集めたとき、水晶の力を導くことができるエリックがラドゥに掠われてしまう。亜希とシュテファンは龍の力の封印の謎を解き、ラドゥと対峙する。 ラドゥはエリックの命と引き換えに、龍の復活を果たす。龍の復活とともに、憎んで止まぬ兄ヴラドが姿を現わした。ラドゥはヴラドに歪んだ愛情から生まれた憎しみをぶつける。ヴラドはラドゥと対決。ラドゥの魂を天へ導き、龍の封印は再び守られた。 人の心を操る恐ろしい力、それは人間の尊厳を奪うものとヴラドは考え使うことはなかった。その志に亜希は感銘を受け、わだかまりのあった母親との関係を修復する決意をして、エリックとシュテファンに再会を約束して別れを告げた。

更新:2020/8/1

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