冬。空に月が浮かんでいた。 毛皮で守られていた体から、頭髪を除いて毛が抜け落ちた。 剥き出しになった皮膚に驚き腕を見つめれば、己が普段に無い姿勢で地面に座り込んでいると気づく。 己の姿を見回せば、これはいつかみた、人間というものの姿に似ている気がした。 ※平安時代っぽい世界。※京都弁っぽい言葉が多いです。 ※単独で読めます。※短編『春の花』『夏の蝶』『秋の風』と繋がりがあります。
更新:2017/3/16
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ある秋の日。コトは甥の屋敷を訪れた。 心地よい風。庭の木々が揺れ、色づいた葉が舞い降りる。幼い子が遊んでいる。 懐かしい昔を思い出した。 「雅俊さん。あんたのお母さんな、生前、不思議な事を言うてはったんよ」 ※平安時代っぽい世界。※京都弁っぽい言葉が多いです。 ※単独で読めます。※短編『春の花』『夏の蝶』『冬の月』と繋がりがあります。
更新:2017/3/14
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ある夏の日。チョウは町で買い物を。 「うらめし、や・・・うらめし・・・」 露台にならんでいる美しいかんざし。 なんや、けったいなもん(意訳:変わった妙なもの)ついてるわ。 ※平安時代っぽい世界。※京都弁っぽい言葉が多いです。 ※単独で読めます。※短編『春の花』『秋の風』『冬の月』とつながりがあります。
更新:2017/3/14
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