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作:虎戸リア

スキル【守護霊獣】が過保護すぎる件 ~無能はいらないと追放されたら、何もしてないのに勝手にそのパーティが崩壊した。君は何もしてないよね守護霊獣さん?「もふ!? コンコン!(な、なんのことかな!?)~

役立たずと呼ばれたハズレスキル――【守護霊獣】を持つ新人冒険者フィリは困惑していた。 「お前のスキル何の役にも立たないし、弱いしいらねえわ」 と自分からパーティ誘っておきながら雑用係と酷使したあと報酬も払わず、さらに暴行を加えた上で追放したAランクパーティがなぜか次の日には自分のことを忘却していた。何よりそれから彼らは妙に不幸続きで、やがては崩壊してしまった。 他にも、ハズレスキルしか持っていないと小馬鹿にしてきた先輩冒険者が次の日には人が変わったように親切になったり、新人冒険者だからと騙してぼったくり価格で武器を売りつけた商人が、なぜか急に融通を利かせてくれたりと、フィリにとって幸運が続いていく。  不思議がるフィリの側には、他者には見えず、触れる事もできない一体の獣がいた。  それは周囲からは何の役にも立たないと言われていたスキル【守護霊獣】によって現れた九尾の狐――レギナだった。 「ねえレギナ。もしかして君、また何かした?」 「もふ? コンコン!(な、なにもやってないよ!)」 「なんで、顔を逸らすのかな? ねえ何か隠してるでしょ」 「がる~(隠し事なんてするわけないじゃない)」 「……正直に言いなさい」 「きゅーん……(私がやりました……)」  守護聖獣であるレギナは密かに、悪意ある敵を霊的もしくは物理的に排除し、逆に主であるフィリやその味方には幸運を与えていたのだった。その結果フィリは努力と共に冒険者として成長していく。 これは、超過保護な守護霊獣と努力を惜しまない少年による成り上がり冒険者譚だ。

更新:2021/5/27

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