「どうも、国王を殺しに来た勇者様です」 数万から成る軍隊が王に叛いた日、エルフ領へと侵攻してから数日後に彼は現れた。 連絡が取れない軍の上層部と、混乱した王都の中で男は城門を破壊しながら言う――――――― その日、勇者と名乗る犯罪者が攻めて来た。 数ヶ国に及ぶ王族と要人の謀殺、侵略戦争に置ける謀略の加担、多額の懸賞金を掛けられていた男は言い続ける。 「俺か?俺は勇者様だよ」 大昔に死んだはずの勇者を名乗る犯罪者は、その圧倒的な力を前に己の道を赤く染め上げる。個にして一国と同等の力を持つ彼を、人々は外道勇者と呼んで恐れた。 叛逆(rebellion)の先導者(Charisma)、常に非人道的な解決方法を選択する彼は、死体の山に囲まれながら今日も苦悩する。たった一人で数ヶ国を相手に勝ち続けた男、そんな彼の望みは……ことだった。
更新:2017/2/10
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