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子どもだけに与えられるはかない奇跡

5.0
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昭和初期、炭鉱街で暮らす少年ふたりのひと夏の交流を、繊細で透明度の高い筆致で描いた作品です。


スクリーンの中の女優「マリア」を、「あれは僕なんだよ」と言う葛城。

それを純粋に信じた岸沼は、マリアと葛城と、どちらに惹かれたのでしょう。


葛城の家庭環境は詳しく語られませんが、おそらく(岸沼とは違って)貧しいのだろうとさりげない描写から察することができます。

彼にとって弁士のいない無声映画は、ほかの誰かになれる特別な時間だったに違いありません。

けれどもその「特別な時間」は、子どもだけに与えられるはかない奇跡です。


時間は子どもを大人にし、時代は過去を暴力的に押し流していく。

その波間に一瞬かがやいた、花火のような物語でした。

泡野瑤子

登録:2021/7/18 14:24

更新:2021/7/23 17:15

こちらは泡野瑤子さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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