作者読みしています。
高校生って、非常にナイーブだよなと、大人になると思ったりします。当の彼らはそれが「日常」なのだが、考えてみればあの箱詰めされた期間のあの「日常」「常識」が通用した期間というのは案外短い物です。
だからこそ非常にナイーブであり、実は「貴重な体験」なのかもしれないと思ったりする。彼らは彼らで、貴重な体験の中で沢山の一喜一憂をする。
夏木ほたる さんはそういう機密さを書くのが本当にお上手な方です(他のも読んでみてね!)。
前提になってしまいましたが、「その秘密を、知るということ。」とは一体なんなのか。青春時代の悩みは大抵、誰が振り返っても「変わった悩み」であり、けれども「貴重な悩み」であったりする。
知った、知らない、知られた、知られたくない、様々な形があり、それを「捉える」というのは非常に柔らかい。柔らかいから柔軟なのか、傷付きやすいのかというのを考えさせられた物語でした。ジャンルをご覧ください、「BL」です。大人になれば固い悩みですよ。
囚われず縛られず。読んだ当初、初めは私にもあったような「その頃の当たり前」が甦ったので柔らかさに触れる物があった。読了してから「そうか」と、歳甲斐なく振り返った、それは爽やかな喉触りでした。
良作です。是非とも読んで欲しい1作。囚われず、縛られず、守るように。
登録:2021/7/19 06:02
更新:2021/8/15 02:48