孤児院で過ごす守銭奴の主人公が、ある日貴族の落胤として平民として自由に生活していた女の子が、どうしても貴族に見つからないよう体をバッタと入れ替えようとしていたところに遭遇してしまい、間違って自分と女の子が入れ替わってしまいます。
お金につられてしばし入れ替わって生活することに了承するものの、暴言も封印された為その外見から貴族の人たちにはとんでもない勘違いをされてしまう、と言うのが大まかなあらすじです。
12歳の少年である主人公は守銭奴ですが精神的に幼いのもあって女の子になったからと言って特に性差による戸惑いはありませんので、そのあたりのTS要素が苦手な人にもおすすめです。
主人公は孤児たちの面倒見もいいとてもいいやつで、女の子の祖父母たちに優しくされて嬉しくなりつつ自分の物じゃないのにと苦悩したりもしますが、基本的にお馬鹿でお金に目がなく図太いので明るく物語はすすむのですが、その分周りの人たちの勘違いとの落差がひどいです。
勘違い物の醍醐味である他者視点が楽しく、あまりにひどい落差なのですが主人公がいいやつなのは事実なので妙な笑いを誘います。それでいてひどい茶番なのに泣けたりもするのが、作者の力量の高さを実感させられます。
とにかく勘違い物、他者視点との落差が好きな人には絶対にヒットします。主人公自身も中身が下町の少年なのもあり様々な勘違いをしてもうしっちゃかめっちゃのメチャクチャ面白い物語です。
全編笑えて、それでいて要所要所でしっかり泣ける、いい人ばかりでみんな幸せになるほっこり優しい勘違い物、是非一読ください!
登録:2021/7/24 08:24
更新:2021/7/24 08:24