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宿屋の女将は、素敵な鎧に恋をする。読者は、女将と幼子に恋をする。

5.0
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 映画のようだという感想を、久々にこの作品で持ちました。


 ほのぼのとした導入から、クライマックスの盛り上がりまで、読み始めると止まらない見事な構成と確かな文章力、人物相関の妙。読後はまさに、映画を見終わった後の感覚。スタッフロールまで噛み締めてしまうやつです。


 この作品の一番の魅力は登場人物たち。宿屋の女将メロディは16歳の少女だけど、明るい性格と元気の良さを持ち、思いやりの心と懐の深さ。年頃の女の子らしい感情がありつつも、前向きでエゴではない正義感の持ち主。自分の考えの良くない部分に気付いた時は、それにきちんと向き合って、変わっていこうとする強さも。

 6歳の幼女ティアは、とにかく健気でいじらしい。仕草のひとつひとつが、本当に可愛い。

 読み進めるうち、この二人の事を大好きになってしまいます。


 数々の出来事に彼女達は笑い、喜び、悲しみ、そして苦しむ。その感情のふり幅を、読者も一緒に味わう事になるという。普遍的なエピソードも、そう来るか!という捻りがあり、キャラの魅力を深めます。ほのぼのとしたお話の中に散りばめられる、人間の利己主義な部分、戦争のこと、身分差、貧しさ。社会の問題が、ちくりちくりと心を刺してきて、読後に心に残る要素が多いです。

 ファンタジーなのに、熱いロボバトルまで繰り広げられるので、そちらの方面がお好きな方もぜひ、一読をおすすめしたいです。

 

 一章は一気読みするといいかもしれません…!

MACK

登録:2021/7/25 05:34

更新:2021/7/25 05:34

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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