ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

呼吸すら忘れる緊張感。そこには確かに、戦う人々と世界が在る

5.0
1

 物語のスタートからドラマチックな展開で、醸し出される空気感がこの世界の説明になっているという、情景描写の妙。

 

 魅力的かつ、深みと個性のある登場人物は、誰一人と脇役ではなく、この世界のそれぞれの主人公であり、退場のたびに心痛みます。だが、戦いに勝敗がある限り、生き残る者と死する者があるのはやむを得ない事でもあり。歯を食いしばって前を進む登場人物と共に、読者もこの世界を歩む事になります。


 とにかく、文章力が高く、情景が目の前に浮かぶだけでなく、風の香りや音すらも聞こえて来るかのよう。こんな臨場感のある文章は稀有ではないかと。

 戦闘シーンでは、それまで聞こえていたはずの環境音が聞こえなくなり、息をするのも忘れて、その戦いに見入ってしまうほど。

 登場人物がほっと息をついたとき、同時に自分の耳に音が戻った時は、身震いをするほどでした。


 主人公二人の旅と、軍パートという二本軸で、世界が大きく変動し、同時に、過去にこの世界が構築された出来事の事を、まるで自分が知っていた事を思い出すように想像できていく構成力の高さも素晴らしいです。世界設定を、教えられるのではなく、感じるように理解できます。


 重厚かつ力強いこの物語ですが、それは読んでいて緊張するシーンが連続するという事でもあり、完結してからの一気読みより、ぜひ連載中の今の段階から、じっくりと読み進めて行く事をお勧めしたいです。

MACK

登録:2021/7/28 06:21

更新:2021/7/28 06:21

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

同じレビュアーの他レビュー!!

奴隷屋の日常

善や悪というカテゴリを持たない主人公の物語

 作品タイトルからわかる通り、主人公は奴隷屋。奴隷を売買するという商売をしている青年シリウス。その相棒ともいえるライファットと共に過ごす日常や、過去の出来事のエピソードが綴られた物語です。  奴隷の売買をする奴なんて、ろくでもないのではと思いきや、彼は善人でも悪人でもないです。  奴隷の生活環境を良くしてこそ商品としての価値は高まり、客ともwinwinという理念で、奴隷を商品として丁寧に扱うし、銃や剣に名前を付けて大切にする。物と人に対するベクトルが同じなのかな?という部分も。  「身内」と呼べる相手以外に対しては、物であっても人であっても、大事にすべきものは大事にするし、いらなくなったら捨てるというクールでドライとも言える部分もあり、こういう性格の主人公であることが、とにかく他に類を見ない気がします。  だからといってどっちつかずという訳でもなく、中庸というわけでもない。掴みどころがあるような、ないような。でも裏表がない、なんとも気持ちの良いキャラクターといった感じで。このシリウスという男を知るためだけでも、読む価値あり。  ライファットとのバディ感あるやり取りも小気味よいです。  日常といっても、事件が皆無なわけではなく、ほんわかするものから手に汗握るような色々なエピソードがあり、その物語ごとにキャラと世界観が深まっていき、気付けば最新話を心待ちにしてしまうという作品です。

5.0
1
MACK