古きよき時代をどこにするかは人それぞれだろうけど、それ(おそらく作者にとってのそういう時代)を純粋にロマンチックに描いてるような印象の作品。
記録として書かれてるような部分もあるけど、目線的に、そのままその時代を書いてるかのような感じも受ける。
これの舞台がひとつの惑星とするなら、未知の巨大大陸はもう無くなり、 世界は狭くなって、そして再び広くなる(宇宙時代の)前の、これまでで一番、ただ一つの世界だけがあった頃の物語という感じがする。
実際には19世紀くらいのイメージのようだけど、あくまで架空の世界が舞台。僕個人の先入観的には、18~19世紀くらいのユーラシア大陸をモデルにしてる異世界。
宇宙時代前の世界の頃の物語というふうに表現したけど、それはその通りで、この物語の世界は、実際に(現実の地球の)特定の時代の特定の地域というだけでなく、歴史までもそのまま、いくらかのアレンジ加えて、舞台に持ってきている感がある(いくらか断片的な歴史情報は、世界史の中でよく知られているいくつかの出来事を思わせる)
ようするに、これは架空世界ものというより、むしろ作風的には歴史改変ものと言った方が的を射ていると思われる。
鉄道も産声を上げて数十年と、テクノロジーが人々の暮らしを便利にしていく中で、「神が世界を創造し」、「眠りの妖精が」、「ドラゴンを退治した騎士でもなければ」みたいな、おとぎ話のような表現が使われて、でもそこまで違和感ないような世界観。
ファンタジーやSF要素は控えめで、そこはスチームパンクならぬスチームロマンというような雰囲気が素敵。
登録:2021/7/29 19:28
更新:2021/7/29 19:25