この物語に、救いも何もありません。最初から詰んでいて、そんな中でどうやって日々をやり過ごし、終わっていくかを描いた文字通り終焉世界の物語なのです。
主人公はただの現代人で、転移した後は流されるままに世界に諦めて適応していきました。周りの人達ももう、ほとんど死んだような生活をしているばかりです。
そうやって何も無いかのように生きていたはずなのですが、トラブルに巻き込まれたり、絶望したり、ほんの少しばかりの希望を見出したりする中で主人公の感情が揺さぶられていきます。
ドラッグやゴミ漁り、死体の山に盗賊。終わりかけの世界を象徴するような存在と出会えば、反対に諦めずに終焉に立ち向かう人との出会いもあります。
そういった中で主人公の心情がどう変わっていき、どのような選択をするのかは、ご自身の目で確かめてみてください。きっとのめり込んで、気づいた頃には読み終わってしまっているでしょうから。
登録:2021/7/10 10:15
更新:2021/7/23 17:15