とにかく他の人にも読ませたい。この気持ちは、たぶん読んだ人にしかわかりません。5分で読める短編です。ぜひ!
登録日:2021/8/1 23:25
更新日:2021/8/1 23:25
こちらは夏まつりさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。
美術館における架空の企画展、その展示作品の解説文、という体裁の物語。 この構成、というか手法自体にもうパワーがあります。なるほどこの手が、という以前に、仮に思いついたところでまずひとつの物語として成立させるのが難しい作品。 作品世界の中に実在する、なんらかの文章を通じて著される物語。例えば手紙や日記の類はよく見るのですけれど、でも美術品の解説文というのは珍しいです。たぶん初めて見ました。これだけでもうわくわくするというか、ほとんど勝ったようなものだと思います。 加えて、展示作品が『美術品としてのメガネ』というのが面白いところです。『美術メガネ』『メガネ作家』という語が普通に存在する不思議な世界観。展示される奇抜なメガネの数々と、その作者であるひとりの男の人生。その骨太なドラマに解説文を通してクローズアップしていく構成。 この、『リアリティ』と『創作らしい空想』がほどよく混ざり合う感覚。前者に寄せれば小説的な面白みが薄まり、後者を優先させすぎればただの混沌と化す。その中間、ちょうどいいところをしっかり押さえてくれる、絶妙なバランスが楽しい作品でした。
魔女の語りによって進行する物語です。読み終わってビックリ、まんまとこの魔女の魔法にかかっていたようでした。ネタバレになるのであまり言えませんが、どんでん返しが好きな人は読んでみてください、5分で読めますので。こういうどんでん返しってあんまり無いと思うので新鮮でした。
ぐるぐるぐるぐる…流石大冒険です。 しかし、例えるならヘミングウェイの「老人と海」のようなしつこさもなく。 恐らくこちらの作品は作者様のチャレンジ作品なのかなと思います。でも、これがwebの良さだよなと思います。 純文学と児童文学って確かに相性はいいのですがだからこそ読み終えて骨組みをみてみると「教科書臭くて作者の思考丸出し押し付け感」みたいなものが出やすい。その辺作者様はとてもうまく、そういう感じではなく手に取りやすい作品だなと思いました。 ユーモラスですし、ちょっと読みたいなというときにぐるぐるぐるぐるしてほしいな、と思う作品です。
短編:約6,000字 読了目安:12分 ※二次創作レビューです 「はいスタジオの皆さん、こんにちは! それともドラゴンは? ドラゴン芸人のドンドラゴです! こっちは相方のゴラドンド!」 「逆から読めばドンドラゴ! ゴラドンドです! 二人あわせて~」 「「ドラ〇モンです!」」 \ パチパチ ビタン! パチパチ ビタン!/ 「ああ~、ありがとうございます! 拍手に加えて尻尾での拍尾まで!」 「やりすぎるとスタジオが壊れるので、ほどよ~くお願いします!」 「さてさて! 今日は噂のダンジョン、ドラゴンランドに来ています!」 「なんとこちらのドラゴンランドにはテーマ曲あるとのことで、入場前に歌うと門番さんから素敵なプレゼントが貰えるらしいですよ!」 「がおがおがお~♪」 「可愛い声だしてますけど、こいつ今日は寝坊してきてますからね!」 「がおがお!」 「急に怖くなったのは置いといて、さっそく門番さんに話を聞いてみましょう! すいまっせ~ん!」 \ ドタドタ ビタン! ドタドタ ビタン!/ 「素敵な紳士の方々、いらっしゃいませ!」 「いえいえ、あなたには負けますって! ところでテーマ曲を歌うと何かプレゼントがあると聞いたのですが?」 「竜は、みんなのアイドルよ~。がおがおがお~♪」 「ありがとうございます! プレゼントについては初耳ですが、私から精一杯のスマイルをどうぞ!」 「うおっ、まぶしっ!」 「目がぁっ! 目がぁっ!」 \ パチパチ ビタン! パチパチ ビタン!/ 「あやうく召されるところでした! 入口からして危険な場所なようですし、皆さんも心してお越しください!」 「門番さんの話だと、さっき本物っぽいドラゴンの方がいたそうです!」 「ぼくらも角とシッポならあるんですけど、あんまりドラゴンっぽくないですからね!」 「ぼく、ドラ〇モン!」 「なにいうとんねん!」 \ ビッタ~ン! / 「尻尾の一撃が決まったところでドラゴンランドの紹介、と行きたいところですが、残念ながら時間切れみたいです!」 「詳しくはドラゴン新聞の折り込みチラシを読んでください! ではスタジオにお返ししま~す!」 ※本稿について、作者様には好評でした
こちらは短編集となっており、その雰囲気は全体的にシリアスでダークな仕上がりとなっています。 7つのお話が綴られているのですが、その中でも私は『勇者』『リブラリア』『猫』がとても好きです。 7つのお話それぞれ、切なさの残るハッピーエンドだったり、バッドエンドかもしれないけど心に残る暖かさがあったり、思わず自分のことのように考えてしまうものだったり、それぞれ奥行きがある素晴らしい作品集となっています。 読んでいて、作家さまの描かれる世界が分かるというか、ただのハッピーエンドじゃ終わらせない、終わらせたくない、という独自の考えがひしひしと伝わってくるような、きちんとどの世界でも厳しい『リアル』を描かれる方なんだろうな~と素人なりですが、感じてしまいました。 個人的にこのような作風が大好きなので、また他作品も読みたいなと思っています。 奥深いダークな世界を堪能されたい方にぜひ触れて読んでいただきたい物語集です。