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@オノログ
かつて人間と精霊との大戦によって荒れ果てた世界。
その世界を護るための「呪い」がいま、巡り巡って愛する人を死にいたらしめる…
壮大な世界観も魅力ですが、何より染み入るのは
誰かを愛することに対する、登場人物たちの矛盾と執着と焦燥。
軽妙な台詞回しからも、各人の想いがにじみ出て、読んでいて
その奥深さは時に、心が苦しくなるほどでした。
これは只のファンタジーではなく、人が交わす究極の情愛の物語。
深く誰かを愛したことがある人には、刺さること請け合いです。
登録:2021/7/10 11:03
更新:2021/7/23 17:15
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こちらはつるよしのさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。
不思議な青年が語る「ある都市」にまつわる物語です。 かといってその物語は極めて具体的なものではなく、その都市の様々な概念、人々の思想、自然との関わり……などの抽象的なものですが、これを語る文体が非常に麗しい。 そこからは、哲学的、または宗教的な美や知さえ感じます。 決して長くはない物語の中から、その都市から醸し出される「世界」いや、「宇宙」が広がっていく様子。 そこからは、この作品は、書き手の教養の奥深さなくては成立しえない物語、と感嘆せざるを得ません。 古代神話を読んでいるかのようにさえ感じる、溜息ものの作品です。 人間の想像力とは、斯くも豊かで美しい。 多くの方に読まれてほしいと心から願います。
柔らかなものがたりの語り口。 そこから、非常に穏やかでメルヘンチックな物語かと思い読み進めると、大いに良い意味で裏切られます。展開は、残酷で、非情で、示唆に満ちていて。 けっして、口当たりの良い物語ではありません。 長い物語ですので登場人物がそれぞれ抱えた謎には容易に到達しませんが、 それらを丁寧になぞっていくストーリー展開が続きます。 ですので、まずはその文章の「誠実さ」を感じて下さい。 また、そのなかに何の伏線が隠されているのか、 一言も逃さぬよう必死に目に留めて紐解いて読もうという気持ちになります。 なので、是非ゆっくりじっくり読んで下さい。 そうしないとこの作品の魅力は減してしまうと思います。 そして作者の、この世界に込めた善と悪も、やさしさと非情さも、妥協せず、率直に表現してみせようとする姿勢に感銘を受けて下さい。