ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

面白い問いかけから始まっていく、ヒーローの裏舞台での主人公の葛藤とは?

5.0
0

【物語は】

面白い問いかけから始まっていく。これは誰もが一度は、抱いたことのある疑問だろう。ヒーローの変身中に何故、敵は攻撃してこないのか。

その答えは確かに、直ぐに分かるのだが、解釈が非常に面白い。

「攻撃はしてくる? してこない?」

あなたは、一体どちらだと思いますか?

予想を立ててから読んでみてくださいね。

恐らく、想定外の結果にはなりますが。


【世界観・舞台の魅力】

まず、目の付け所が面白い物語である。そして、そこから新たな展開を産んでおり、予想外のストーリーとなっている。

昨今では、走りながら変身していくしていくようなものもあるが、それはロボット系であり、ヒーロー、ヒロインものは変身シーンが大きな見せ場となっていることの方が多い。この物語では、そのような変身シーンに着目し、描かれたものである。そして変身シーンに対してヒューマンドラマを描くというのは、珍しいのではないかと感じた。


あらすじにもある通り主人公は、ヒーローの変身シーンの時、無防備な状態の彼らを敵から守るのが仕事である。どうやって守っているかは、作中で明かされていく。その中で、守る側である主人公の葛藤部分が丁寧に描かれており、裏方ならではの気持ちが伝わってくる。


もし自分の方がヒーローより強いのに、目立たなかったなら?

その活躍が無かったことになったなら?

強さだけではなく承認欲求やプライドなども、モチーフにした物語なのではないかと感じた。どんなに完璧にこなし、相手よりも能力を持っていたとしても、誰にもそれを認めて貰えない。裏方でいなければならない主人公は、かなり精神的に辛い立場だと感じる。

根っからの裏方好きでもなければ、耐えられないのでないだろうか?


【物語・登場人物の魅力】

主人公はきちんと自分のやるべきことをこなしているようには感じるが、”やはり納得いかない”と思う面が垣間見える。

ヒーローの変身する間、敵から彼女を守り切った主人公であったが、その帰りにたまたま異世界から来た「ヴィラン」と出くわす。本来なら、ヒーローがとどめを刺すのだが、一人で戦ってしまう。彼の強さを認識する場面だ。


ここで思うのは、これだけ強くてもヒーローにはなれないという事。一緒にいた幼馴染みのスナイパーの心の声”そもそもヒーローを守る存在がヒーローより弱くちゃ(略)”(引用)により理由などを妙に納得してしまう。

ここでヒーローよりも強い護衛がいるのならば、”ヒーローは要らないのではないか?”という疑問が湧く。このことについては、きちんと理由が述べられている。(作中にて)


ヒーローよりも強いのにヒーローになれない主人公の心境に、共感の持てる作品である。色んな理由があり、それ自体(システムなど)は理解出来るが

、別な部分に納得いかないという複雑な心境になる物語なのだ。

とても面白い(興味深い)物語である。


【物語の見どころ】

裏方にスポットを充て、葛藤を描くというのがとても面白い。アイドルにしても、裏方がいてこそのアイドルなのだ。ただそこにいるだけ(存在しているだけ)では、ただの人でしかない。ヒーローもしかり。

支えてくれる人物、お膳立てしてくれる人がいて、初めてヒーローと認められる。つまり、主人公がどんなに強くてもヒーローになれないのは、それが理由なのかもしれない。


しかし、この物語はそこでは終わらない。

主人公は、一度は「護利隊」から追放されてしまうがその後、彼は今までヒーローが手に入れることの出来なかった能力を手にするのである。

それこそが、彼のターニングポイントなのではないだろうか?

ヒーローという肩書にこだわることを辞めた時、彼が本当に進みたかった道が見えてくるのではないだろうかと感じた。


あなたもお手に取られてみませんか?

ヒーローの舞台裏で戦う主人公の物語。ヒーローより強い彼の戦う姿(拘りの戦闘シーン)は、ヒーローと「ヴィラン」の戦いよりも夢中にさせてくれます。この先の彼の活躍を、その目で是非、確かめてみてくださいね。

お奨めです。

crazy's7

登録:2021/8/8 19:32

更新:2021/8/8 19:31

こちらはcrazy's7さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

同じレビュアーの他レビュー!!

ウィッチドライブ ~女の子と事故って魔法少女になり身体の相性が良いから働かされてるんだけど俺はこれを許すべきか? 契約したからもう遅いわよ〜

笑いあり、怒りあり、語りつくせない魅力の詰まった物語。

【物語は】 異形と呼ばれる怪物が出るようになった世の中が舞台。ある日、主人公は手違いにより、魔法使いのようなカッコをした女性に、女にされてしまう。被害を被ったのはこちらなのに、何故か不満を漏らしているのは相手である。 理不尽な状況でも、冷静に状況を把握しようとする彼。喋ることは出来るが、喋ること以外出来ないという事態に。つまり、身体が乗っ取られている⁈ 突然、日常から非日常へと引っ張り込まれることになった、主人公の運命とはいかに? 【登場人物の魅力】 段々と明かされていく、主人公の過去。主人公は自身の境遇により、荒れていた時期もあったが、常識的な考えを持つ人物の印象。祖母の教えを胸に抱き、寛容になろうとする場面も見受けられる。 主人公が、とても人間らしい。ここが物語の最大の魅力ではないだろうか。常識的=いい人とは限らない。世に出回っている多くの物語は、人類の為にあっさり戦うことを受け入れてしまう。しかし、それは子供向けの物語であると感じている。あくまでも良いこと悪いことを教えるために、極端にしているのではないかと思えるのだ。大人になれば分別もつくので、人間の感情に対するリアリティを求めるもの。その感情は複雑に違いない。 例えば、子供の頃は守られる側であったが、守るものが多くなればなるほど、リスクを考えたりするだろう。この作品では、そのリスクに対する対価についても描かれている場面があり、協力する理由の一つとして納得できる。 この物語では、主人公の心情がしっかり描かれているので、笑ってしまう部分、一緒になって腹が立つ部分など、感情移入しやすいことも、特徴の一つ。 ウィッチドライブをすることになった相手とのやり取りもとても面白い。相性は最高なのに、仲が悪いのである。しかし、言いたいこと言える相手なので信頼関係や絆は結ばれているように感じた。信頼関係があるからと言って、仲がいいとは限らない。これは現実にもあること。二人の関係が今後どうなっていくのか楽しみである。 【世界観・舞台・物語の魅力】 舞台は、異形と呼ばれる怪物の居る世界である。なので、それを倒すような人々も存在するようだ。 ウィッチドライブのシステム自体がとても面白い。原理は簡単に理解することが出来るのに、いろいろと興味深いことが起きてしまうのが面白い。何故、主人公が男から女になってしまうのか。何故胸のサイズが変わってしまうのか。その辺りの理由についても面白く、単に女性になって戦うのではなく、その為に起きる面倒なことについても描かれている。 本来ならウィッチドライブというシステムを使い、戦うはずではなかった主人公。手違いにより、戦うことになってしまった。この契約は簡単には、なかったことに出来ないため、ある程度の期間は主人公が変わりを果たさなければならない。必要なものは経費で落ちるのだが、それはどうやら国民の税金から支払われるらしい。 その為、必要なものではあるが、”これを税金で⁈”という状況が起き、そこにも笑いが起きる。主人公の複雑心境が笑いを誘うのだ。 この物語は、魔法少女に対する期待のようなものも満たされていると思う。男性が好きそうな際どい展開にて。もちろん、匂わせであるが。 単に笑いだけではなく、敵となる人物たちにも拘りを感じた。悪は一概に悪とは言えないかも知れない。関係ない人まで巻き込んではしまうが、発端がありそこに同情を禁じ得ないこともある。そして、そういう人の心に入り込む人間こそが、本当の悪なのではないかと考えさせられるのだ。 【物語のみどころ】 この物語の主人公は、ある理由から喧嘩などに対しては、腕に覚えのある人物。だからと言って、国民の為に戦う義理はない。それを行うのはそういう職に就いているものの仕事であると考える人間が主人公だ。 この考えには、多くの人が共感できるのではないだろうか。物語だから、フィクションだからこそ、正義の為に戦う者に憧れることはある。それは死なない前提だからではないのだろうか。 多くの物語の正義の味方は特殊な力を持っている。毎回入院シーンのある、ヒーローものは皆無とは言わないが、なかなか見たことがないのではないだろうか。しかし、自分の立場だったなら。いくら力があっても、やはり怪我は免れないし、死ぬかも知れない。そうなったら、何も考えずに協力などしないと思う。しかも、同意もなくいきなり体の性別が変わり、勝手に身体が戦い始めるなど、発狂しそうだ。 この物語には、大人になってからヒーローものや魔法少女ものを見た時の疑問などについても、ナチュラルに解決されている。とても人間らしいところが魅力の物語なのだ。 そして、何故異形が産まれるのか。そこにもちゃんと拘りと理由があるように感じる。正義とは一体なんであろうかと考えさせられるのだ。どんな人間にも心があり、悪が一方的に悪とは限らない。同情もしてしまう物語である。 あなたもお手に取られてみませんか? 笑いあり、怒りあり、ハラハラドキドキしてしまう物語です。果たして、主人公たちは真の敵を倒すことが出来るのだろうか? 是非、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

散華のカフカ

事件を追ったその先で、想定外の展開が待ち受ける!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ローファンタジー 「審判」から三十年。都市では人が灰になって消える灰化現象が続出。主人公たちは、その事件を捜査していた。灰の身元を調べようとしていたところある不一致に気が付く。更に詳しく調べようとしていたところ、ある人物に呼ばれ捜査資料を渡されるのだが。まさかそれが、自分たちのその後の運命を変えてしまうことになろうとは思ってもいなかった。彼らの運命はいかに?! 【物語の始まりは】 ”朽人”という意味深な言葉を発れられるところから始まっていく。ある二人が美しい砂のようなものを袋に詰めているが、一体それにどんな価値があるというのだろうか? 彼らを通して伝えられるのは、不思議な光景不思議な体験。そして、最後に残された言葉は誰のものなのか? 謎の多場面から始まり、本編に入ると何か事件が起きたことが分かってくる。被害者は二名のようだが、これが冒頭の彼らなのだろうか? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 人が灰の様なものにされる事件が多発してる状況。 埋葬屋という謎の人物が存在する。彼の仕事は一体? オーディナルシステムというものが存在する。 多視点からなる群像劇。 【主人公と登場人物について】 主要な人物は三人の刑事だと思われる。 彼らはこの事件(人が灰のようなものにされる事件)の対策チームで初めて出会ったようで、妙に馬が合い捜査を行う時はよく三人で行動しているようだ。 【物語について】 彼らが灰の身元を調べようとしたところ、ある不可解な点を発見する。それをさらに詳しく調べようとした矢先に、彼らに会いに来た者がいた。その者は普段ならば、絶対に会うことのできない人物。彼らはその人物から直々に事件解決の依頼と、その事件に関する話を聞くことになる。その者から事件の情報を手に入れた彼らは、その資料から犯人を導き出したのだが……。 彼らは犯人を調査していたところ、自分たちもある陰謀に巻き込まれていく。この物語は、死=終わりではない。それは序章に過ぎないと感じた。果たして主人公はどうなってしまうのだろうか。 【良い点(箇条書き)】 ・あらすじに”裏で起こる巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく”とあるが、巻き込まれ方が想定外。 ・タグに”主人公は最強”とはあるが序盤では想像がつかない。一般の刑事に見えるからである。しかしあるところまで差しかかると、想定外の展開に驚く。 ・バトルものであるということは先に分かってはいるものの、構成が巧いので先が読めず、意外性と独創性が素晴らしい。 ・冒頭の方は事件ものであり、ミステリーのような雰囲気を持つが、異能力者たちのバトルが熱い。不思議なバランスと魅力を持つ物語である。 ・一人一人戦い方が違うようであり、戦闘自体に見どころがある。 【備考(補足)】8ページまで拝読 【見どころ】 まず構成が面白い作品だという印象。推理モノのような始まりであり、主人公達が事件を追っていくところから始まるが、気づけば異能力バトルとなっている。事件の黒幕は早々に分かる為、早くも事件解決か? と思わせる展開も秀逸。しかしそれは始まりに過ぎないのである。まさか主人公たちが事件自体に巻き込まれるとは、あらすじを読んでも想像できない。意外性の詰まった作品である。何故彼らが戦っているのかも、序盤で明かされていく。一体どんなラストになるのか、誰が勝利するのか予測不能である。 主人公はこの戦いにどのような立場や位置で関わっていくことになるのだろうか? 果たしてその結末とは? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の行く先をその目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7