この主人公のメインウエポンは、槌と爆破だ。めっちゃマニアックだ。
そうこれは、ある種マニアックな『こだわり』と『ロマン』が詰まった小説なのである。
※
主人公のランタンは、その名を轟かせる『単独探索者』だ。
小さな体躯、たしかな実力、炎を宿す冷徹な瞳、端々に見受けられる教養……。
読者はそうそうに気付くだろう。地下に広がる異世界ダンジョンに潜るこの主人公こそが、『日本からやってきた』いわゆる転移者なのでは?と。
しかし、彼には記憶がない。彼には故郷と呼べるものがないのだ。それを求めて、迷宮探索へ行く。
このお話は、孤独な彼が、一人の半巨人の少女を拾うところから始まる。
弟子を経て、仲間となり、のちに恋人となる彼女との出会いが、英雄ランタンの本当の物語のはじまりだ。
匂い立つほど重厚で確かな描写は、とくに、ほぼ毎回あるバトルでの臨場感が必見なのだが、日常回も素晴らしい。
素晴らしいので、とくに『ラノベじゃないファンタジー』に一言ある方は、いちど読んでみてほしい。
余談。この物語、のちのちハーレムになるのだが、筆者はもともとハーレム展開が苦手である。しかし『カボチャ頭のランタン』は読める。なぜならば、ランタンはそれほどに魔性の少年だからだ。
再びの書籍化を切に願う。
登録:2021/8/15 04:08
更新:2021/8/15 17:23