白状します。最初読み始めた時は、てっきりよくある普通の退魔ものだろうと思ってました。好き要素入ってるし、ちょこっと摘まんでみるのもいいか、みたいな。
……甘かったです。完ッッッ全に沼! でした。
すっごく続きが気になって、どこで読むの止めればいいの!? ってなってます。
霊感ゼロの泰河と神社の息子で陰陽道も使える朋樹が活躍する、『狐』。
精霊使いのルカとエクソシストのジェイドの、魔神との出会いともなる、『花の名前』。
泰河・朋樹組とルカ・ジェイド組が互いに知らず交差し、一つの事件を解決する、『伴天連』。
泰河・朋樹組+狐たちとルカ・ジェイド組+魔神たちがついに合流し、『万象』の謎と輪郭が徐々に見え始める『パライソへ』。
スマホに特化した書き方をされていること、各話の語り手となるキャラクターに合わせた言語統制が強いことから、従来の文章作法にこだわる方は、もしかすると眉をしかめられるかもしれません。
けれど大丈夫です、読み始めればそんなのは全部頭から吹き飛んでしまいます。とにかくストーリーがいい。演出が、構成が、キャラクターがいい。
多少のホラー耐性が必要なシーンもありますが、そのあたりが平気ならグイグイ引き込まれます。
とてつもなく面白く、泣き、笑い、キャラクターたちと一緒になってハラハラしたり怒ったり、感動したり……気づけばキャラクターにも作品世界にも、どっぷりはまって抜けられなくなる小説『万象』。
まずは『狐』から『パライソへ』まで、本編の一気読みをオススメします!
登録:2021/7/10 13:54
更新:2021/7/23 17:15