この作品は、百日分のエピソードからなるオムニバス形式に近い学園ラブコメである。カクヨムコンでも一位か二位を取っていたように記憶しているが、そのことからも品質は保証されている。
著者の兎谷あおい先生はこういった恋愛ショートストーリーを得意とする作家であり、Twitterの140字小説でも毎日良い小説を書かれている。そんな兎谷先生の作風と設定が噛み合った結果、飽きの来ない日常ものラブコメとなったのだろう。(日常の問題点が飽きの早さであり、それを感じさせないという点で最上級の賛辞のつもりである)
文体は大変柔らかく、文章から漂う空気が穏やかで読みやすい。セリフも違和感がない。強いて言うならやや女性向けの文体・言葉選びになるかもしれない。(内容は恐らく男性向けである)
合う合わないはあるだろうが傑作と呼んで間違いはないので、まず最初の数話だけでも読んでみてほしい。
登録:2021/8/25 13:45
更新:2021/8/25 13:45