1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)
共通点のある物語というのがこの作品の物語の共通点。うん、何を言っている。
『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』
この物語は”かつて”とあることから、一旦解決したその後ということになる。
以前は邪魔をしたが、今は何もしていない。それなのに彼女は恋人と上手くいかなくなってしまったのだろうか?
会ってくれなくなっても待っている理由とは、一体何であろうか?
『いつも通りの騎士団長』
いつも通りの団長がいつも通りでなくなってしまった為、それを見ていた副団長がその理由について問う話なのではないだろうか?
果たしてやる気のなくなってしまった理由はなんだろうか?
『最高でサイコな治癒師さん』
これはチート級の回復師の謎が描かれているのか、それとも普通では考えられない気質などについて描かれているのか。
全く予測不能の物語である。
果たしてこれらの物語の共通点とは?
2 物語は(どのように始まっていくのか?)
『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』
季節は冬だろうか。貴族の娘として後世の支配者となるべく教育された主人公が、手に入れられなかったものについて語るところから物語は展開されていく。自分の手で何でも手に入れてきた彼女が欲しかったもの、そして得られなかったものは意外なものであった。
だかそれは意外と手にするのが難しいものでもある。これを手に入れた人が、世界にどれほどいるのだろうか?
『いつも通りの騎士団長』
予想とは真逆で、やる気を失ってしまった保守的な状態がいつも通りということのようである。
視点は副団長。以前の団長のことを知っているため、複雑な心境のようだ。
『最高でサイコな治癒師さん』
飾らない王様との会話から始まっていく物語。ここまでストレートだと、腹は立つかもしれないが話が早い。
その上笑ってしまう始まりとなっている。主人公は、そんな王命によりいきなり勇者となってしまう。
主人公からしたら、ありがた迷惑な話である。
3 世界観について
『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』
悪役令嬢が恋敵となり、邪魔をするも彼女と恋のお相手は揺るぎない愛を貫く。
主人公である悪役令嬢は、その後恋は諦め彼らを見守る立場へ変化するのだが。
『いつも通りの騎士団長』
これは、魔物なども出現する世界。そこで、王国を守るのが彼らの仕事のようである。
『最高でサイコな治癒師さん』
魔王のいる世界で、可愛らしいがサイコな治癒師さんと主人公が魔王の討伐へ行く話。
魔物などがいる、ファンタジー世界。ファンタジーの世界には色んな魔法があるよね。
そんな物語である。
4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。
『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』
*何故会ってくれなくなったのか?
匂わせで終わってはいるが、納得できる理由であること。
*主人公のセリフから、彼女が世界の事情を知っているように感じるところ。
もしそうなら、この構造 (二重構造かなあ)は面白い。
『いつも通りの騎士団長』
*これは”あるある”である。
人は、段々効率的になっていくものだ。とても共感できる物語だと感じた。
『最高でサイコな治癒師さん』
これは強化の話しかと思ったら、魔法そのもの物語だった。
そして魔王を倒した後が本題だったという。
とても面白い物語であると感じた。
5 お奨めしたい部分
どの物語もオチが良くできている。一作目を読めばその系統の繋がりなのだろうか? とは思うものの意外な展開が待っており、なるほどと思ってしまう。『最高でサイコな治癒師さん』に至っては、王様にも治癒師さんにも押され気味な主人公が面白い。
それぞれの物語が楽しめ、バラエティーに富んでいる部分がお奨めである。
6 物語のその先を想像して
これはネタバレになってしまいそうなので、簡潔に述べるが
『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』
これは解決するのではないかと想像する。
『いつも通りの騎士団長』
これに関しては項目がそのうち増えるのではないだろうか?
しかし、大切なルーティンだと思った。
『最高でサイコな治癒師さん』
幸せとは、地獄の入口なのかもしれない。
あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。
登録:2021/10/3 16:20
更新:2021/10/3 16:20