すべてを失った青年と過去に何かを抱える少女のボーイミーツガールである。ある意味王道の設定であるが、テンプレに胡坐をかかない丁寧な描写がされている。
今作の魅力の一つは、一人称視点の使い方の上手さにある。それぞれの視界内で描くのはかなり上手い。それぞれの感情も違和感なく推移しており、物語の完成度は高い。会話文のテンポも良く、情報量や掛け合いの頻度も適切である。全体が高い水準でまとまっている。
ブックマーク数を見るに、明らかにもっと評価されるべき作品である。
登録:2021/10/5 00:09
更新:2021/10/5 00:00