魔法が一切使えないと蔑まれていたものたちが『稀有な能力』を目覚めさせて、主人のために邪魔なものをすべて蹴散らす無双っぷりが爽快な作品です。
百合(ガールズラブ)要素を含む、異世界ダークファンタジーです。
全206話(約63万字)で『第一部・完結』となっています。
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日常と非日常のコントラストや、お互いの信頼をもとに成り立つ『主従関係』が魅力的です。
主要人物が出揃うまでは、現在の視点から過去を振り返っていく構成になっています。
主人である聖女はどんな人柄なのか。
五人の従者はどんな経緯で集まったのか。
一人ひとり丁寧に描かれているため、愛着がわきます。
一騎当千の力を持つ六人ですが、いつかは困難や強敵に立ち向かわなければなりません。
これぞダークファンタジーの醍醐味だと言える展開もあり、見どころがたくさんあります。
ただし察しのよい人は『目次』だけで、先の展開を予想できる可能性があります。
できれば終盤、特に第7章以降は先のサブタイトルを見ず、一気に読んでいただきたいです。
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主従関係や従者同士のやりとりが可愛らしくて楽しいので、気心の知れた仲間のやりとりがお好きな方にオススメです。
主人公たち従者はみんな善人ではないので、非人道的なことも平気で行います。目的を果たすためなら手段は選びません。
聖女に盲信的なだけの従者はおらず……いえ、一人だけちょっと聖女が大好きすぎて暴走ぎみな人もいますが、主従の信頼関係はしっかりと築かれています。
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個人的に『第2章』の主役である、二人目の従者がとても好きです。
聖女と主人公とのやりとりに癒やされます。
この子を好きになったなら、ぜひ最後までご覧ください。
いろんな場面で能力を発揮して活躍しますし、仕事のあとで聖女に褒められる様子が可愛らしいです。
登録:2021/10/8 01:48
更新:2021/10/8 01:45