主人公は幼馴染の格上貴族からいじめられており、自己肯定感を失い日々地味に弱気に生きていましたが、さすがにその貴族との婚約は絶対に嫌だったので、決死の覚悟を振り絞って校門から最初に出てきた人に婚約を申し込みました。
究極の誰でもよかったですが、何と声をかけた相手は昔からひそかに主人公に思いを寄せて可能な限り見守っていた相手だったのです。主人公には気づかれていませんし、本人もこのまま見守ったまま終わるのだろうと考えていたのですが、婚約を申し込まれてはその限りではありません。
相手はすぐに了承して即断即決で親にまで話を通して正式に婚約を申し込んできたのです。
あっという間に婚約者になったことに困惑を隠しきれないものの、相手はいじめていた幼馴染と違ってとても優しくて好きになるだろうと思える人だったので主人公も少しずつ心を開いていきました。
そこから始まる、溺愛につぐ溺愛。主人公はそんなに迂闊な行動ばかりしているわけではないのですが、何かにつけ問題が起こってしまいます。しかしその全てをまあこのヒーローなら大丈夫だろうと思わせてくれる溺愛っぷりでここまでくると見ていてすがすがしいです。
主人公が危ない目に会えば心配だからとすぐ監禁しようとする危うさはありますが、主人公がめちゃくちゃ心が広くてそもそも相手が好きだから気にしていないのと、冷静になれば反省し心から主人公の幸せを願ってくれる優しさがあるので安心して読んでいられます。
お互い学生から始まるのでまだまだ未熟なところもありますが、段々ヒーローも頼もしくなりますし、何より主人公がどんどん凛としていき自分の意志をはっきり言えるように成長していくのが、見ていて微笑ましいです。
最後まで応援したくなるカップルで、分量もそこそこあるのでしっかり溺愛を味わえる、愛されたい人にはおすすめの純愛物語です。
登録:2021/10/11 08:36
更新:2021/10/11 08:19