愛を願った男が異世界で目を覚ますと、そこには主人公の願いの一助となることが存在意義だと自称する少女になった何かがいた。
びびりで働きたくない欲望に忠実なクズのため、自動人形と言う魔物を使役すると言う設定で少女一人で働きにだし、自分はひたすら酒や女に溺れます。
その為基本回りの評価は悪いのですが、本人は魔物を使役するのは自分が働いているのと同じであり、事実人形であることを隠しているわけでもないのでヒモやクズと言う評価は納得ができません。
個人的には理屈には賛同できるのですが、取り繕うことをしない大胆さとそもそも悪く思われることに全く気づかない豪胆さに思わず笑ってしまいます。
主人公から自動人形を奪おうとするやからもあらわれたり、なんだかんだと問題が起きるため旅を続けざるを得ないと言うのが大まかなストーリーです。
主人公は特別頭が悪いわけではなく、それなりに装って大人の対応をすることも、またできれば無駄に殺したくないと言う理性的な面もあり、自堕落な生活さえのぞけば人形よりまともなことが言える為、人形の強さがわかる一部の人間からは評価されてるのも面白いポイントです。
また主人公の振る舞いは確かにクズですが、人形として割りきってるにしてはちゃんと心配もしてますし、そもそも愛が欲しいと願っただけあって不器用で憎めない性格をしていると感じます。人形がすぐに殺そうとするのを抑えてぎりぎりまで穏便にことをすませようとするのも、人間らしさを感じさせます。
人形とも何だかんだ仲良くしていますし、二人のやりとりは家族のような介護のような関係で、なんだかほっこりしてしまいます。
まだ途中なので星4にしておきますが、他の異世界ものとは一味も二味も違い、一風かわった異世界ものとして堪能できる作品です。
登録:2021/10/12 14:52
更新:2021/10/12 14:51