主人公は親に捨てられ施設で育った可愛い女の子です。中卒で施設を出た主人公は働くためにも体力をつけようとダンジョンで体を鍛えることにしました。
家もお金も家族も友達もない、ないないづくしの少女は最初に誘われたパーティメンバーに裏切られたことからますます人間不信になり何とか一人で頑張っていきます。周りの人に見守られながらも少しずつ心を開き成長していき、初めての友達を得たところではにやにやしながらよかったね! と全力で応援してしまいました。
なぜ自分でもそこまでするのか自問自答したり、葛藤したりしながら少しずつ進んでいくも、次々に襲い掛かる不条理や不幸に読者も胸が痛くなり、もう頑張らなくていいよ! と言いたくなってしまいます。それでもなお一歩進んで覚悟を決めていく主人公には胸が熱くなります。
無邪気で可愛くて、すごくいい子です。こんなに純粋でいい子だからこそ、周りに優しくされるのも納得ですし、同時に苦しんでいると悲しくなります。何故ダンジョンができたのか、その世界の謎にも迫っていき、現在最後の戦いへと向かうところです。
どんなに優しい人でも人間らしく身勝手にふるまってしまうところもあり、危険な世界だからこそそれぞれの人間味が強く出ていて、だからこそ腹も立ったり悔しくなったり、主人公の悲しみに感情移入してしまいます。
ちょっと辛いことも多いので、気楽に読みたい人にはあまりおすすめできません。主人公の心の傷の原因になった人もでてきてぬるっと許されたりするところなんてもやもやしてしまうのですが、それだけ主人公に肩入れしてしまうほど魅力のあるキャラクターと言うことです。
濃密な世界観と、悪意にまみれた絶望からそれでもわずかな希望を求めて立ち上がる少女の頑張りを応援したい人には是非読んでもらいたいです。
まだ連載中なので星四にしています。
登録:2021/10/14 22:09
更新:2021/10/15 13:36