ネオンサインが消えない夜の新宿。売れないフリーライターの赤坂は、黒いセーラー服を着た家出の少女、トワコと出会った。赤坂は取材と称してトワコに声をかける。やがて、彼は彼女とのやりとりを通じて自らの半生を振り返っていく……
バブル期の新宿歌舞伎町。そこで出会った少女とのやりとりを通じて、主人公の思いが丁寧に語られていく。
欲にまみれた歌舞伎町の廃墟で、赤坂が永遠子を通して見出した‘夜明け’が、儚くて美しかった。たとえ、二人に待ち受ける運命が地獄そのものだったとしても、二人はきっと生きていく。そんなことを考えた二人のプロローグだった。素敵な一作だった。
登録:2021/10/24 19:21
更新:2021/10/24 19:21