主人公は両親と一緒にど田舎の砦で兵士のみんなと頑張って過ごしていた13歳の女の子。だけど両親や仲良しの兵士たちがそろって別の砦に移動になり、主人公だけは危ないからと言う両親の思いと従兄弟の要請もあり王都に身を寄せることに。
人手不足の中、助手と聖女候補生を兼任することになった主人公は、家族に置いていかれたことにおかんむり。なんとか実力を認められて自力でみんなを追いかけるんだとやる気満々で実直に仕事をこなしていきます。
ですが主人公は大真面目なのに、とんでもない巻き込まれ体質。世間は異種族交流を全くしていないと言うのに、何故か一人だけ子供のころから異種族とかかわっていました。
そんな主人公なので、王都に来てからも様々なことに巻き込まれていきます。聖女候補生は王太子の婚約者候補とのことですが、主人公はそんなの知ったことではありません。王太子とも仲良くなっても、4歳差で見た目は大人と子供のような体格差なのもあり、恋愛感情を持つ気配はみじんもありません。
ですが少しずつ仲良くなって、確かな信頼関係を築いていく中は見ていて微笑ましいです。
悪役もいるのですが、それぞれが人間らしく簡単に嫌な奴! と割り切れない人が多いです。それぞれの思惑もたくさんあり、ファンタジーのふわっとした感じはなく地に足つけたどろくさい感じです。そんなちょっとシビアなファンタジー世界で、芯のある主人公が頑張って生きていく姿は応援したくなります。
主人公はほんわか優しいですが、元々命の危険のある砦で元気に過ごしていただけあって、冷静に物事を見ることもできます。年相応の少女らしさがありつつ、そうして一人前の社会人として頑張る彼女は目標を達成できるのか!
結構文字数もあって第三章まで完結しているのですが、まだ一年しかたっていなくて時間の流れはゆっくりめです。色んなことがあったのにまだ全然進んでいない気になるのは、ぐいぐい読ませる筆力はもちろんですが、なかなか恋愛要素がでてこないからかもしれません(笑)
まだまだ続きそうで続きが気になります。年の差ほのぼのが好きならこの二人の関係を楽しめると思います。
章ごとに更新に間があくタイプなのでいつになるかはわかりませんが、じっくり待ちたいと思える作品です。
連載中なので星四にしておきます。
登録:2021/10/30 22:19
更新:2021/10/30 21:03