読み始めるとすぐに18世紀のドイツへ連れていかれたような気持ちになる。
待降節、石の冷たさや吐く息の白さ、静かに降臨を待つ街の静かな興奮。
その反対に台所では賑やかに女たちが料理をつくる。白い湯気が暖かい。
市場で大量の買い物をしている女性がいる。バッハの妻アンナである。
わたしは彼女から不安を打ち明けられ、一緒にご主人の様子を心配し、彼女と一緒に喜んだ。
読者をそんな気持ちにさせる作者さまは、アンナを自分の身内のようによく理解されているのでしょう。
バッハとアンナがまるで傍にいるようでした。
芳醇な作品をありがとうございました。
登録:2021/12/16 19:31
更新:2021/12/16 19:30