ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー設定管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

和条門 尚樹さんのレビュー

穏やかで温かい女子学生たちの恋物語

5.0
0

 年齢制限はありませんが、創作百合を扱っておられます。


 舞台は現代で、女学生たちが主人公です。現代ならではの「あるある」なシチュエーションにほっこりと温まったり飯テロされたり、描かれる情景そのものはとても穏やかで温かいのに、スパイスを加えるかの如く恋愛感情が絡まってきます。結果として、とても甘酸っぱい読後感。


 同作者さんによる『喫茶店フォレスタ』とも共通しているのですが、登場人物たちが優しく、明るく、健気で、まさに光の創作。バンドと短歌って、一見音楽系(という名の体育会系)と文化系で、所属しているメンバーのイメージに差があるような印象だったのですが、それはステレオタイプなものの見方であり、両者は共に韻を踏んだ言葉でリズムに乗りながら想いを伝える芸術であるという共通点があります。その事実にハッとする頃には、きっとこの物語が深く刺さっていることでしょう。


 作中の短歌は情景や心情をとても生々しく伝えてきます。一言で言うと、エモいです。


 現代創作百合が好きで、人の優しさに触れたい方には是非ともオススメしたい作品です。

登録日:2021/12/18 02:20

更新日:2021/12/18 02:17

問題を報告する

こちらは和条門 尚樹さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

こちらのレビューも要チェック!?

ノベルアップ+純文学連載:2話

私のお母さん

ゴリラで泣ける物語?ちょっと何言ってるかわかんないんだけど!って思ってる奴ら全員整列!今すぐこれ読んでください。

 泣けるゴリラ小説。まさかゴリラ作品でこんな気持ちになるとは思いませんでした。  作品から感じ取れるのは『家族愛』。  そこに血縁も種族も関係ないんだなって、少女と母ゴリラが教えてくれました。   「私のお母さんはゴリラです」  という始まり方をする本作。  舞台は授業参観の発表会です。  少女が書いたその作文には、彼女の気持ちが正直に書かれていました。  突然父親の再婚相手としてやってきたゴリラ。  それに戸惑うのは当然のこと。  だって母親がゴリラなんですよ?  ゴリラっぽい母親ではなく、ゴリラなんですよ?  小学生という多感な時期で抱えた少女の苦悩。それは想像を絶するものだったと思います。  現に、作文からも『母親がゴリラだなんて嫌だ!』という気持ちが伝わってきます。  けれど、母ゴリラの一生懸命娘を愛する気持ちは、次第に彼女の心を動かします。  言葉なんてなくても愛は伝わるんだなと思うと涙が流れてきました。  本当に素敵な作品でした。  …………というのが1周目の私の感想でした。  けれど2周目で気付いちゃったんです……父親のヤバさに!(笑)  いやぁね、1周目から薄々は感じていたんですが、冷静に考えたらやばくないですか?  ゴリラを再婚相手にするんですよ?  父親がゴリラを研究している人で、その研究の一環としてならまだしも、この父親マジでゴリラを再婚相手に選んでるんですよ! 『弟と妹どっちが欲しい』とか聞いてきちゃうんですよ!  どうやって父親と母ゴリラは恋に落ちたのか……私はそのアナザーストーリーが今一番読みたいです! 『最初はあれだけ笑っていたのに、泣いてる人【も】いる。』 という作中の最後の方の文章。 【も】というのがミソで。きっと私のように汚れた保護者は『えっ……父親ヤバない?』と思ったのではないでしょうか……。  そんな1作品で二度楽しめる本作。心の綺麗な方は少女に心を寄せて涙を流し、心が汚れてしまった方は父親のヤバさに震え上がりましょう。  是非皆さんも読んでみてください!  ゴリ泣ける作品。爆誕ウホッ!

ノベルアップ+純文学短編

思い出のミントブルー

好奇心を抱き、経験し、またひとつ世界を知る。

美しい表紙画像に心をつかまれました。 ひんやりとした温度が伝わってきそうな涼し気な色。 どこか不思議な色合いで、ずっと眺めていたくなります。 ターコイズ(トルコ石)の写真なのかなと思いましたが、答えは本文の中で語られていました。 チョコミントアイス。 誰もが、一度はその味に興味を持つと思います。 主人公の少女も、アイスクリーム店のショーケースでそのアイスと出会います。 「そんなん食べられへんから、やめとき」 とお母さんにやんわり止められますが、それでも少女は「こんなアイス見たことがない」と釘付けに。 結局お母さんはチョコミントアイスを買ってくれるのですが、さて、それを食べた少女の反応は。 新しい物を見つけて、好奇心を抱いて、経験して、またひとつ世界を知る。 そうやって少女はこれからも成長していくのでしょう。 「結果がわかっていても頭ごなしに止めるのではなく、経験をさせてくれる」という母の愛情に胸が温かくなりました。 『思い出のミントブルー』というタイトルが秀逸。 「チョコミントアイス」とせず「ミントブルー」という色で表現することで、タイトル・表紙画像・本文がひとつの作品としてまとまっていると感じます。 物語の内容は、多くの人が一度は経験するであろうエピソード。 読んだ人の心の奥底にある記憶を優しく蘇らせてくれます。 古い思い出を色鮮やなまま残してそっと宝石箱に収めてくれる、そんな作品です。

ノベルアップ+純文学短編

蝶は己の檻を選ぶ

静かな夏に、記憶を辿って――。

〈箱を眺めていた男の方が、ふいに優也を見た。優也に少しの怪訝向ける顔には、憎たらしいくらいに見覚えがあった。秘密基地に全てをおいて蓋を閉めるきっかけになった男に、面影があった。  ああ、あいつ、死んだんだな。優也はそう思った。〉  静かな夏に、ひとつの死の景色が描かれ、すこしぼやけたような視界が過去を辿るうちにゆるやかに明瞭になっていく。一読して、あぁ好きだなぁ、となり、気付けば物語の余韻を記憶にとどめながら、もう一度、読みはじめ、あらためて語感の良さに浸ってみる。本作は、私にとってそんな作品でした。はっきりと結末を明かすことはしないつもりですが、つねに多くの物語は真っ新な気持ちを求めている、と私は信じているのでネタバレフィルタを付けました。私のこんな拙いレビューを読んでいる暇があるなら、作品を読んでください。つねに多くの評者はそれを求めています。  いいですか?  サークルに所属していない大学二年の優也は、長く暇な夏休みを使って実家に帰省していた。帰ってこなけりゃよかった、と後悔したのは、場も静まりかえるような境内で行われていた葬儀に出くわしてからで、雰囲気から死んだのは若い人間に思えた。誰も見ていないのをいいことに前庭を眺めていた優也が見つけたのが、黒羽だった。……導入はこんな感じですが、言葉ひとつひとつの語感の良さがとても魅力的な作品なので、紹介で内容を知るよりも、何度も言いますが、ぜひ作品のほうに進んで欲しいです。黒揚羽を追って辿り着いた葬儀の場に集まる男たちは葬式ジャケットの黒を身に纏い、そんな中で見つけた黒羽はくくった黒髪を揺らして、そんな彼女を見て、その唇の目立たぬ色のはずの口紅に、鮮やかな赤を意識の上で描く。文章という黒い文字列に、色彩豊かなイメージが浮かび上がる。こういう作品を読んだ後っていつも、あぁ小説を好きになって良かったなぁ、と嬉しい気持ちになります。 〈優也は投げ出していた手を祈る形に組んで、先ほど消えた陽炎を探すように、目を閉じた。〉  そして優也は幼い頃からの記憶を求めるかのように、かつて大豪邸だった、という彼らの想い出の秘密基地を訪れます。彼らの過去に、繊細な心の揺れに、感情を共有しながら知るその結末は、未来の彼らに想いを馳せたくなるようなものでした(ネタバレを避けるため、曖昧な表現になってしまうのですが)。周囲ではなく互いのみをよすがにして、たったふたりだけの夏の世界を築いていくようなこの結末こそが、まるで秘密基地にも思えてきて、すごく好きだなぁ。

小説家になろう純文学完結連載:8話

サマースマイル・アゲイン

この作品に出会えて良かったと心から思える青春小説。心を動かす作品とは、こういう作品。

 平成最後の夏を描いた、痛くて切ない、ちょっぴり歪んだ青春恋物語。  主人公はちょっぴりパッとしない高校生の小秋。そんな小秋と親友の美少女、真夏との青春の1ページを切り取ったような本作。  青春小説特有の複雑な心情やエネルギッシュな躍動感がこの作品からは感じられ、胸がギュッと締め付けられたり、ドキドキと高鳴ったりします。  大人になった今だからこそ感じられる、青春の懐かしさがなんとも心にしみます。  そして物語の構成も圧巻で、約2万文字で読者の気持ちを最高潮に高めてクライマックスを迎えさせてくれます。  素敵なイラストも必見!  田舎の駅から見える爽やかな海。   青い空。  白い雲。  二人の女子高生。    このイラストが読後、違うものに見えてくるんだから作者の演出は憎い。  レビューを書いている今もまだ胸がドキドキしています。  心を動かす作品。是非あなたにも読んでほしい。

小説家になろう純文学完結短編

地球はカルボナーラだった

不条理とユーモアと悲しみがただただそこにある

新興宗教の教義を信じ込まされ、虐められる少女。 作品を取り巻く哀しい雰囲気と対照的に、ただただそこに転がる不条理とユーモア。 文芸短編ならではの美しさとシュールさが印象的です。 作者の方は「余命3000文字」というタイトルで短編集が書籍化もされた、なろうで指折りの文芸作家、村崎羯諦さんです。 村崎羯諦さんの作品は素晴らしい作品ばかりですが、特にこの作品は一押しです。

ログイン

新規登録