蛮族の王子様　～指先王子、女族長に婿入りする～

異世界の中の異世界へ旅立ち異文化の中で頑張る主人公を描いた会心作

異世界の中に神話世界にも近い異世界を作り出すことで物語世界の広がりや深さが良く作り込まれており、現実世界とは異なる異世界内異世界ということで、色々な不思議もすっと心に入ってくるし納得が出来るという素晴らしい入れ子作りな世界が心地良い

部族の設定や描写がどこをとってもとても良いし、それぞれに特徴を作り込んでいてそれらを読んでいるだけで楽しい

キャラクターもみんな良い子で可愛くて、好感が持てる

最後まで胸くそな展開などもなく、読んでいてすごく心地良く、安心が出来る

ラストまで一気に駆け抜けたけれど爽快感しか残らなかったこの読後感は素晴らしいの一言に尽きる

特に女性は安心して読めると思う

一夫多妻制でもある物語世界を割と否定的な眼差しで見る視線があるので、男性向けの恋愛が絡む異世界ファンタジーだとどうしても微妙な気持ちになることが多い人は特に

……なお奥さん間のあれこれなどもそれなりに書かれていたり、男性へのダメ出しなどの表現があったり、男性に対して辛辣なあれこれもそれなりにあるので、男主人公作品ではあるものの、正直男性にはあまりお勧めしない

特にハーレム系好きな男性にはお勧めしない

良くも悪くも、すごく女性向けなので