作者は「どんでん返し」などのプロット上の仕掛けを好んで使うそうである。
今作はあらかじめ作者から告知があったように、どんでん返しありの、「実は……」の裏話ありの、面白い作品だった。冒頭のミス・リーディング、緻密に貼られた伏線と、小説でなければ味わえない楽しさに満ちた「恋バナ」であり、エブリスタの同じ企画イベントに参加した、「地平線と紫色の月」さんの作品(※1)とは好対照であった。
作品の内容には触れない。読者の楽しみを奪うわけにはいかないので。
ひとつ残念なのは、これほど頭の中で映像化しやすい作品なのに、ビジュアル化はとても難しい、ということだ。(声だけならいけるかもしれないが)
だからぜひ皆様に読んでいただきたいと思う。絶対に文字の方が楽しめるから。作者の仕掛けを存分にお楽しみいただきたい。
※1…「冬の月」地平線と紫色の月
https://estar.jp/novels/25905091
登録:2021/12/25 14:24
更新:2021/12/26 09:16