初見で読んだ時の素直な感想です。
女子中学生、魔法少女、異世界とのバトル。そして少女達を導く小さな小動物。
これだけ並べると「まどマギ」を彷彿とさせますが、読んだらわかる。この作品は昔懐かしの「サンライズ」アニメへのオマージュのようだと ※個人の感想です。結果は責任持てません。
小さくて可愛い主人公「坂泉 美鈴」
仲良しコンビの綿貫ゆかと天沢薫。
小さい美鈴をモフって弄んで(?)愛でるのが無情の喜びとなっている綿貫ゆかと、ゆかの暴走を適度に止めて適度に野放しにする天沢薫。彼女たちが異世界から来た魔法使い(と言っていいのかあやしいけど)と命をかけて戦うわけですよ。
ここだけ見ればまさにまどマギです。
冒頭しばらくは「まどマギ」か~と少しがっかりした気分で読んでましたが、途中から出てくるおっさん連中、ここで目の色が変わりました。
主人公の祖父登場シーンからガラッとティストが変わります
草色の着流しに左目の眼帯で白髪頭ですよ! 祖父の部下「大岡さん」もまた厳ついおじさんで大変よろしい。
まどマギには美味しいおっさんは出てこなかった。ここはポイントでかい!!
本作は魔法バトルもの、今時セオリー化している魔法少女バトルもので「手垢」がついたありきたりの題材と判じられてもおかしくない設定ですが、ストーリーは個々に錬られて、格キャラそれぞれに宇用曲折が盛り込まれています。要するに群像劇にもなっているわけですよ。
昔昔、2000年代初頭までまだまだテレビアニメが元気だったころ、少年少女をあり得ないレベルで追い込んでたたき落として這い上がらせるようなバトルメインのアニメがあったのですよ。それを彷彿とさせるストーリーです。
主人公の成長に必要不可欠となるのが
・勝てそうにない敵
・信頼出来る仲間と消失
・バックグラウンドとなる隠された生い立ち
・主人公を時に諭し、時に追い込み導く老人ども
この四つの要素がメタメタ詰まって11万ちょっとで完結!
あり得ませんからね、これ。
設定ってのはストーリーを転がす上で絶対必要にはなりますが、設定全部をストーリー上に盛り込む事はやってはいけないことなんです。
作った設定をどこまで落として、どこまで描写するか?
読者になにを読ませて何を見せるのか? これを常に冷静に考えて書く必要があります。
キャラ立ち目指すと私の場合、冷静に客観視するというのが迷走します。そういう意味でも本作は参考になりました。
とかく、冒頭で「まどマギ二番煎じ」と思って引き返す人がいると思うが、15.16あたりまで是非読んで欲しい。
そこまで行けば一気に進めます。
登録:2022/1/2 11:00
更新:2022/1/2 11:16