邪神討伐のために異世界へと召喚されたヒロインが、見事邪神を倒して討伐パーティの一員だった王子と結婚してハッピーエンド……となった後の物語。
神子としての能力がチート状態から開始されるので、何をするのも苦労せず簡単にこなしてしまう展開がひたすら続き、大きな盛り上がりに欠けた。
ヒロインが『検索先生』と呼ぶ便利能力(元の世界と異世界と両方の情報を検索し、素材を組み合わせ製造等もできる人工知能のような存在)がチートに拍車をかけ、途中からヒロインがほぼ何もしないで検索先生頼みで色々なことが完結してしまう状態になっていたのも面白みに欠ける一因になっていると思う。
ラスト間際で急に恋愛展開をもってきて、それを絡めてトントン拍子に話を進めて一気に終わっていたのには拍子抜けした。
こんな終わらせ方をするのなら、途中の色々な国の問題をずるずるやる必要はあったのだろうか?と(温泉関係のくだりも含めて)。いくつかの国の事件は削っても問題ないように感じたし、やるのならそこにヒロインとヒーローの仲が深まったり双方が葛藤するような何かしらをもっと入れて盛り上げてから、ラストへと続くようにして欲しかったと思う。
ヒロインのチートには料理関係(お約束の日本食創造展開)も含まれていて、総合すると色んなお約束を全部ぶち込んだ結果、これといった感動は特にない薄っぺらい作品になった……という感じ。
登録:2022/1/12 15:09
更新:2022/1/12 15:10