作品紹介の通り、巨大な迷宮に挑む挑戦者としてソロで活動していた男が迷宮から半引退した、その後の物語。ひたすら迷宮に挑み己の剣技を磨いてた男が立ち止まり周りを見回す、その視線の中で迷宮や迷宮を囲む街やそこに暮らす人々の営みが描かれていく。
丁寧な描写で少しずつ見えてくる迷宮を囲む街とその世界、独特でちょっと下世話なところもありつつ、人情味のあるエピソードの繋がりに、「次はこの男はどんなものを見るのだろう」「この男の目を通して作者はどんな世界を見せてくれるのだろう」と、引き込まれていく。
「ホラ吹き」と呼ばれる男が己の剣の道の更なる一歩を踏み出すまでに、どんな道程を辿るのかが楽しみ。
登録:2022/4/20 12:14
更新:2022/4/20 12:14