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@オノログ

エモーション、ロマンチック。

5.0
1

 読み終えてふと、演劇部だった中学生の頃の景色が頭に浮かんできた。私は音響でしたが、舞台のライトは上下がありまして、照明担当の部員がカラーフィルムを持って、ゲネリハの際に色々調節していたんですよ。


 夕日のシーンだったんですが、ふと照明の人に「案外、青を混ぜるといいよ」と言われていた。上下どちらにいれるか、光の強さのバランスで夕日を作った。


 と、自語りから入ってしまいましたが、作品のお話をします。



 冒頭はパッと、照明が点いたような「目覚め」。


 映画を一緒に観て語り合う友人、そんな何気ない日常…いや、映画を観に行くのはいつもある日常の中、微炭酸のような刺激があると思う。この二人はなんの映画を観たんだろうなぁ。


 ポツポツと友人の事を語っている心情描写。そしてどんどんと青が濃くなって行く。


 一日の中で、今日も暗くなってきたなぁと思う瞬間は、青とオレンジだと思う。徐々に徐々に秒単位でじりじり、じりじりと青が勝り、気づけば夜、そこから寝て、また朝が来た頃には白に近い日の光になっていると思う。最後の電話は何色の音だったのだろう。


 またきっと明日、冒頭のようにパッと日常がある主人公と、記憶の中の友人。短編で上手く切り取っているその空気感に、爽やかさと寒々しさを感じました。毎日は常に、ロマンに溢れています。


 良作ありがとう。

詩木燕二

登録:2022/5/3 14:59

更新:2022/5/3 15:11

こちらは詩木燕二さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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