夏休みのがらんとした教室で二人きり、ひとみ先輩と主人公が吹奏楽部の練習をするでもなく、話に花を咲かせているところから始まる物語。
異性の先輩と二人きり、夏休みの教室……何か素敵なことが起こりそうな予感がして仕方ありません。二人は同じ楽器を担当していて、会話から良い関係性が伺えます。
けれど先輩は高校最後のコンクールで、二人が同じ部活にいられるのもあとわずか。会話の端々に、何かを言いたくて言えない雰囲気が読み取れます。いいですねこういうじれったさ。
タイトルなどから最終的な方向性は予想できますが、そこに至るまでのプロセスがコミカルかつ軽やかに描かれており、非常に読みやすくストーリーに引き込まれます。
先輩のフルネームが出てきた時に、さすがにその名づけはどうなのだろうと疑問を抱きましたが、なるほどちゃんと理由がありました。
名前の言葉遊びは大喜利のようで、次は何が出てくるんだろうと楽しく想像しながら読ませていただきました。
素敵な青春の一ページを堪能いたしました。ありがとうございます。
登録:2022/6/12 08:34
更新:2022/6/12 08:34