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5.0
わさび

登録:2022/6/16 09:52

更新:2022/6/16 09:52

こちらはわさびさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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やさぐれ執事Vtuberとネガティブポンコツ令嬢Vtuberの虚実混在な配信生活

Vtuber文化の楽しいところ詰め合わせ

○あらすじ 2018年頃のVtuberが登場したての頃を舞台に、Vtuber事務所『Re:BIRTH UNION(リバースユニオン)』に所属する執事Vtuberの正時廻叉とお嬢様Vtuberの石楠花ユリアを中心に、Vtuberの配信生活が描かれています。 ○ジャンル いわゆるVtuberものです。 ○ボリューム 68万文字(2022年3月27日現在)と、それなりの量があります。 数話で1セットの中編を繰り返す形式です。 ○よいところ ・Vtuber群像劇 Vtuberものの小説だと、登場人物が個人勢の主人公とその周囲のVtuberだけだったり、箱に所属しているVtuberが主人公でも箱内だけで物語が完結していたりと、小さくまとまる場合が多いと感じていたので、様々なところに所属しているVtuberが多数登場しているこの作品は新鮮でした。 出番が少ないキャラでもかなり濃いうえ実在性が高いので、小説内で推しを見つける行為がそのままVtuberを推す行為の疑似体験になります。 ・Vtuberへの夢 黎明期が舞台になっているからか、あの頃Vtuberに当時特有の(無責任な?)希望とか夢を抱いていた時代の空気がそのまま再現されているように感じました。(起こっている出来事は現実と全く違うのに!)これだけだと懐古する作品みたいですが、タイトルに「虚実混在」とあるとおり、Vtuberと現実(具体的には「中の人」、「魂」)との関わりについて深く切り込んでおり、かなり挑戦的です。特に直接的にこのテーマを取り扱っているのは、100-106話です。ここでは設定でVtuberにおける「魂」の再定義を行い、ありがちな初期設定と実際の配信者の乖離に理屈付けを行い、物語に昇華しています。本当に見事だと思います。ここに限らず、この作品はお約束をさらに掘り下げることが多いように感じます。 ・Vtuberの恋愛 それはダメだろ、と思わなくもなかったのですが、作中でもそれを前提にして、さらに彼らなりの納得できる答えを出していたので、安心しました。読み進めていくと自然に応援するマインドになると思うので、心配しなくても大丈夫だと思います。 ・民度 配信者全員が努力と研鑽を欠かさぬ求道者なのは好感が持てます。常に全力で挑戦し続けている、その姿を尊く感じます。 もちろんリスナーもめちゃくちゃ民度が高いです。頑張っている人を応援するという基本的な態度を貫いています。 ・まとめ Vtuberとは何か?なぜVtuberになるのか?というかなり根源的なところを掘り下げた、Vtuberの文化の楽しいところを詰め合わせたような作品です。 生配信やイベントなどを時系列順に描くことで物語を進めているので、実在のVtuberを追いかけている気分になります。 ○まずどこまで読むべきか 個人的には84話が一番好きなので、そこまで読んでほしいのですが、少し長いので、まずはPhase.1が終わる52話まで読んでみてください。

5.0
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わさび

黒幕系彼女が俺を離してくれない

ヤンデレクーデレヒロインの極致

昔から厄介事に巻き込まれやすく、新しく作った友人がなぜか皆酷い目にあう主人公、首藤狩也が、唯一の友人であるヒロイン水鏡碧花やオカルト研の仲間たちとともに、恐ろしい怪異と品行方正とは無縁の危険な人間に立ち向かっていきます。 ○ジャンル なろうでは現実世界〔恋愛〕、カクヨムではラブコメになっています。それにしてはサイコホラー要素が強く、恐ろしい怪異と人間や曇らせ展開が容赦なく投入されるためそうは思えないかもしれませんが、この作品の主軸は間違いなく2人の愛の物語であることを、最終的には言葉ではなく心で理解できると思うのでご安心を。 ○ボリューム 1,197,219文字は少し読むには多いような気がしますが、文庫本が1行に42文字、見開きに32行と考えると、約838ページとなりました。終わりのクロニクル1巻(上下巻合わせて)と同じくらいのページ数です。楽勝ですね。また1話ごとの長さもあまり長くないので、思った以上にサクサク読めます。 ○よいところ ・巧みな心情描写 キャラクターから生活感を感じるのも、この作品の魅力の1つだと思います。どんなキャラも大なり小なりクセが強いところがありますが、どこか人間臭く、キャラの感じた喜びや悲しみ、葛藤や怒りにストレートに共感できるようなつくりになっていると感じます。(これは悪役も同様で、妙な戯画化とかはなく、やけに生々しい奴がお出しされます。) ・恋愛模様 主人公とヒロインの恋愛は、双方が奥手なためなかなか進展しません。しかしそれでも自分があまりじれったさを感じなかったのは、心情描写や実際の行動から、直接的な行為がないだけで2人が互いを想い合っていることがしっかりとわかるからだったと思います。 恋愛模様に限らず、この作品からは何でもかんでも言葉で説明しないで理解させる(しかもわかりやすくしっかり理解できる)ところを感じ、かなり気に入っています(これにより、終盤にある「言葉にして伝える展開」が引き立つように感じます)。 ・ヒロイン 好き好き大好きとか言って包丁で刺す(雑なヤンデレイメージ)感じではなく、主人公の害になる人物を影で淡々と殺すところは、なかなか新鮮でした。ヤンデレとクーデレを合わせるとこんなによくなるんですね。 ・主人公 何度困難にぶち当たって曇っても立ち上がるところがいいと思います。これのおかげで読み進めるのがつらいとかにあまりならずに助かりました。 また、彼自身がかなり面白い奴なので、当然ながらこの作品の大部分を占める彼のモノローグも常に面白いんですよね。そこもサクサク読み進められた原因かと思います。 ○まずどこまで読むべきか 1話は主人公のモノローグで構成されています。これはヒロインが黒幕系彼女であったことが主人公にばれた後のモノローグで、2話以降よりも少し未来の話になります。 この1話のモノローグが終盤でリフレインされる話(つまり、1話の時系列に追いつく話)があります。少々長いと感じるかもしれませんが、そこまで読めば、あとは最後まで楽しんで読むことができると思います。 ○同作者の関連作品 ・在りし日の修学旅行 2人が中学生だったころの修学旅行の話です。 https://ncode.syosetu.com/n4603gn/ ・Return valentine 本編の後日談で、ホワイトデーの話です。 https://ncode.syosetu.com/n0810gc/ ・聖夜系彼女 本編の後日談で、クリスマスの話です。 https://ncode.syosetu.com/n5664gr/ 同作者のノクターンのアカウントにも2本外伝が投稿されています。 また、同作者の長編は基本的に世界観を共有しており、リンクする要素が多々あります。この作品の登場人物やその関連人物、設定も他作品に多く登場しています。

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わさび