一人の少女・菜々に恋した「冬」が主人公の物語。
冬とはまさに四季の冬。季節の擬人化、面白い切り口です。菜々の元を離れがたく長々と居座ってしまい、春の訪れが遅れているようです。
しかしいつまでも春がやってこないわけにもいかない。何より、季節と人間との恋が成就することは絶対にないのです。主人公が菜々を喜ばせようにもうまくいかず、もどかしいですね。
ホワイトデーにある変化が訪れることで、冬はやっとこの地を去ることが出来ます。春の訪れを感じられる終わり方です。
次の冬に主人公がまたやって来るのを楽しみに……その時菜々は今より輝いて見えるかもしれません。
清涼感のある作品です。
登録:2022/6/19 13:10
更新:2022/6/19 13:08