虚言に踊らされた王太子の命により、苛烈な拷問の末に利き腕を切り落とされたヒーロー。近衛騎士としての道を絶たれた彼の元へ、拷問を実際に行った男の妹であるヒロインは詫びのうちの一つとして嫁ぐことになる。
自分はヒーローに憎まれていると思うヒロインと、実は……なヒーローとのすれ違いラブストーリー。
ヒロイン視点のこの話では、兄はとことんクソだな……という感想しかでてこないし、とりあえず皆きちんと話し合えよ! それぞれの話を聞けよ! というもどかしい想いに駆られる。
その辺りを乗り越えて、ヒーローとヒロインがちゃんと気持ちを通じ合わせられたのは良かったけど、最後ここでおわりかあ……という物足りなさもあった。
この作品だけ読んで終わると主に兄関連でもやもやが残ったままだけれど、兄とヒーローの関係や拷問の真実を、兄視点で描いてる続編にあたる作品があるので、この作品を読んだのなら是非ともそちらもセットで読んで欲しい。
というか、両方読まないともったいないと思う。
なぜ兄が、こんなクソとしか言いようがない行動をとり続けたのかの理由が分かるし、ああだから……とかそういうことだったのか……と納得できることが描かれているので。
星は、兄の物語【愚兄の嘆き】とセットでの点数。
登録:2022/6/21 04:20
更新:2022/6/21 03:32