レビューを投稿
ジャンル別
サイト別
書籍化
タグ別
一覧
サイト関連
運営している人

@オノログ

私は今日、主人を殺す

作品詳細
 私は今日、主人を殺す。前々からずっと、いつ殺すかを考えてきた。  共に歩んできた人だけど、話しかけても返事はしないし、家にも帰ってこないような人だ。仕方がない。  それでも、その前に少しだけ思い出話でも⋯⋯

生とは何かを考えさせられる作品

5.0
0

 不穏なタイトルから、お互いに齟齬がありうまく行かなかったご夫婦の話なのだろうかと想像して読み始めましたが、二人の馴れ初めから始まり、結婚しやがて子供が生まれ……と素敵な関係を築いているようです。

 しかし、あんなに仲睦まじい様子を見せていたのにいつしか家に帰ってこなくなった夫。何故妻は夫を殺すことになったのか。

それはとても悲しく、けれど愛に溢れ、心を掻き毟られるような決断だったのではないでしょうか。

妻の心が少しでも救われればと、何かお声をかけてあげたくなるような結末でした。

 切ない作品です。

想田スイさん

登録日:2022/6/21 15:15

更新日:2022/6/21 15:12

問題を報告する

こちらは想田スイさん が読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

想田スイさんの他のレビュー

おすすめレビュー

聖痕~スティグマ~

きっと誰もが、なにかに縋って生きている。

「もう戻れないよな。緑でいっぱいのあの山に。」 (作品キャッチコピーより) まず、この意味深なフレーズが気になった。 主人公とヒロインのワカは、人口の少ない集落で育った。 そして、四年ぶりに会ったワカの両腕にはびっしりとタトゥーが彫られていた。 その場面を想像し、一瞬ぎょっとする。 なぜ、ワカは両腕にタトゥーを入れたのか。 タトゥーがあると銭湯や温泉に入れないと聞くし、プールや海にも行き辛くなる。 それに、一度彫ってしまうと、消すには施術を受けなくてはならない。 昔よりは気楽に彫れるのかもしれないが、それでもやはり「覚悟が必要な行為」だというイメージがある。 読み進めるうちに、あまりの息苦しさで溺れそうになる。 それはきっと「生きること」に対する息苦しさだ。 まるで刃物のように、おそろしく研ぎ澄まされた作品だ。 ストレスで自殺をしたり自傷をしたりという話をよく耳にするが、この作品は「タトゥー」がそれらの代償行動として描かれている。 おそらく、人の数だけ「縋る」ものがあるのだろう。 人によってはそれが「家族」だったり「恋人」だったり「宗教」だったりする。あるいは「小説」だったり「ゲーム」だったりするのかもしれない。 タイトルの「スティグマ」とは、さまざまな意味を持つ言葉のようだ。 この作品も、いろいろな意味を込めて書かれているように思う。 読み終えたら、ぜひ言葉の意味を調べてみてほしい。 そしてキャッチコピーの意味がわかったとき、彼らの悲しみがいっそう強いものとなり深く心にしみる。

アリス・イン・ザ・金閣炎上

とんでもない筆力。

文章の密度に一瞬驚きますが、1万字が一瞬で終わります。 多重の引用。ウィット。情報の過不足のなさ。思春期の葛藤。ラストのカタルシス。 圧倒的理不尽をたたきつけられているはずなのにむしろ気持ちよく読まされます。 カクヨムの才能、とんでもない。 こういう人たちがこういう文章を書くだけでしっかりご飯を喰える環境を作っていかなくっちゃぁいけねーないけねーよ。

山に愛された姫 ~都市での生活はうまくいかないけど~

彼女は一体この先どんな人生を選択していくのか?

【物語は】 主人公が実家で、植物の世話をするところから始まる。人と深くかかわるのが苦手で、就職先を退職してしまった彼女。人と接するのは苦手な人も多いが、彼女はそれだけではなく少し変わった子供だったようだ。回想にて、その不思議な思い出の一部が語られていく。 【主人公の想い】 主人公の性質をどう捉えるかで、彼女への感じ方や考え方が変わって来ると思われる。仕事がしたくても、人間関係が元で続けることが出来ない。働かなければ、と思いながらも先のことを考えてしまい、それに向かってポジティブに考え行動することが出来ないとしたら? そして理解者がいなかったならばどうだろうか。 親であっても話すことが出来ないのだろうと感じた。いや、親だからこそ言えない可能性もある。主人公の心境は複雑だと思う。 彼女は自分が他の人と違っていても、”普通”を生きようとしていた。そして”普通”の人生を歩めると信じていたのではないだろうか? 【主人公に訪れた転機】 主人公はテレビで放映されている、ある旅番組で映し出された田舎の風景に心惹かれる。思い立ったが吉日と言わんばかりに、主人公は2泊3日の宿泊の準備をすると現地へ旅立ったのだ。 なかなか、先の人生を決められなかった主人公のこの行動は、この地にどれだけ惹かれたのか分かりやすい部分である。 【予感・非日常へ】 主人公には、1年に1、2度見る夢があった。それを目的地への移動の最中に見ている。この夢がどう繋がっているのかは、この場面ではわからないが、このタイミングで見るというのには、何か意味がありそうだ。 主人公は心惹かれるまま、目的地を目指す。そこで彼女が目にしたのは、いままで見たことのないものだった。 (ネタバレになるので詳しくは書けないが) 【世界観・物語】 目的地に着くと、その土地について語られていく。歴史や山に愛された姫とはどんな存在なのかを。 この物語は、単に人間の世界に順応できなかった主人公が、他の土地で生きるというような話しではない。自然に触れ合うことにこそ意味を持つ。何が出来るようになるのか、詳しく話すことは出来ないが、それが出来るようになることで、彼女にある役割というものが出来ていく。 これがこの後、どう彼女の人生に作用していくのかは、先まで読まないと分からない。しかし、心惹かれた場所に行ったことによって、彼女は少しづつ変わり始めているように感じた。 この物語は、詳しく話すとネタバレにあたる部分が多い為、抽象的に書くことしかできないことが難点である。 【物語のみどころ】 主人公は、人間の世界(社会)に馴染むことが出来ず、就職からたった1年で会社を辞めてしまう。しかし、そうなるまで”普通”の幸せが自分にも訪れると信じていた。子供の時から、変わっていると言われていても。 そんな彼女が心惹かれたのは”たまたまテレビで観た田舎の風景”。しかし、予感はあったのだ。夢というものの中に。 それでも、この土地自体に繋がりを持たない彼女が現地で、ある者たちと出逢う。この出会いが、彼女を少しづつ変えていくことになる。彼女にとって生き辛かったコンクリートの世界から、自然界へ。 そして、この土地で役割を見いだしていくのではないかと感じた。 あなたもお手に取られてみませんか? 人によっては、彼女の悩みに共感を持てるかたもおられると思います。彼女が、一体この先どんな人生を選択していくのか? ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

はんぺんチーズフライって、とってもエモーショナルな味がするんだね

美味しい、って感じるのは舌だけじゃないよね

 高校受験は、現代では比較的多くの人が経験する人生の曲がり角だろう。  目的地へ向けてワープする人、堅実な一歩を踏み出す人、そしてそうではない人。出願倍率が1.0を切るような過疎の進む地域の学校じゃない限り、番号が見つからない人は必ずいる。  大人になれば、それだって1つの通過点や1つの評価でしかない、とわかるのだろうけど。やっぱり未成年にとって、受験で落ちるというのは将来に軽く絶望するに能うだけの破壊力を持っているんじゃないだろうか。  何かつらいことがあったとき、放置じゃなく、根掘り葉掘りするわけでもなく、こんなふうにそっとしておいてくれるお母さんがいてくれたら──そんな、「自分にはあり得なかったIF」を想ったら、はんぺんチーズフライの味がじわーっと胸に沁みました。  言葉じゃなくて、感情がそのまま流れこんでくるような……そんな「エモーショナル」な作品です。お勧めします。

閃光は暁に刺す

異文化、異世界とは何か

 こちらのレビューを読ませて頂き、入りました。  途中までは日本の文化や異文化として触れていくのですが、タイムパラドックスと共に彼の秘密が明かされる。  その調和、融合の絡まり方に感嘆しました。物語もどこか…切ない、では片付かない。  これから彼は一体どんな未来を歩むのだろうかというところで、パン、と終わる。日常の一幕を切り取っただけのお話に、良い意味で読者が置いていかれる余韻がありました。この余韻はきっと、「続きが読みたい!」と押し付けられていない作品で、読者とは…そうだ、見送るものなんだよな、なんて考えたり致しました。世界は狭いのか?いや、広いものだから。  良作、ありがとう。

本棚

作品へ

ログイン

新規登録

通知

こちらはユーザー用の機能です。

一覧
to_top