短編SFなこちらの小説。
場面はみなさまお馴染みの、名探偵による謎解き披露……の5分前から始まります。
ちなみに、名探偵は「名探偵アプリ」という俗称のアプリケーションさんです。
このアプリ、とにかく事件を鮮やかに解決するというものすごいやつなのですが、その推理が完了するには絶対に5分が必要です。
とにかくそういう仕様なのです。
さて、推理中の5分間、別にアプリはサービストークなどしやしません。
というわけで、他に登場人物、それもとびきり魅力的な連中がいます。
一人は探偵助手の美少女(基本彼女が探偵アプリを操作しているわけですね)。黒髪セーラー服の現役JKとのこと。あと、かつては美少女探偵ちゃん。
探偵アプリの登場で人間の名探偵が駆逐されたので、かつての探偵が助手などしているのだそうです。
もう一人は、助手の助手。なんだそりゃ、ですね。彼は物語の語り部です。
他にも天井ぶち抜いて飛び込んでくる探偵クラッシャーさん(なんだそりゃその2)やら、死亡フラグ立てまくる金髪ブレザーツンデレ(なんだそりゃその3)やら、一瞬のきらめきに全存在意義のっけたキャラたちがキラキラとひしめいておりますので、ぜひ目をさらにして読んでくださいませね。
こんな説明を読めば、あれこれミステリ?と思われるかもしれません。
いいえ。SFです。
はっきりいって、探偵アプリや探偵助手の推理、動機や最後の手段に超人薬で怪人と化した犯人とかはどうでもいいのです。
そんなものはハンバーグに入ってる千切り玉ねぎみたいなものです。
なぜ探偵アプリは推理に5分かかるのか?
なぜ美少女探偵は探偵助手になったのか?
なぜ助手の助手は助手の助手をするのか?
その背後にうずまく思惑と思いと想い。
どうか見届けてやってください。
途中ちょっとテンポがもたついてスピード感悪いかなぁと思う部分もありましたので今回は☆4ですが、この作者さんは本当に才能豊かな方です。
もし読んで気に入っていただけましたなら、他の小説もぜひぜひ読んでいただきたいです。
あ、この作者さんの筋金入りファンのひとりであって、別にステマじゃないですからね(笑)
登録:2022/7/19 15:53
更新:2022/7/19 15:19