~あらすじ~
水泳の県大会を前に、大山龍樹(中3)は、無自覚だが感染が確認され欠場を余儀なくされる。
すべてを賭けていた大会に出場が叶わなかった龍樹は、やる気を失くし勉強にも身が入らない。家に病気を持ち込んだ母親のせいでは無いと頭ではわかっているのに感情では処理しきれずにいた。
落ち込む龍樹に水泳部の友人である繁が声をかける。前向きにやって行こうというが、龍樹には響かない。
ライバル校の活躍記事を目にした龍樹は、努力が報われない思いをするために水泳をやっていたのかと、やるせなさを募らせる。
そのタイミングで繁から夏の思い出を作ろうと連絡が入る。
起承転結が明確な作品で分かり易い。
主人公・大山龍樹の理不尽な挫折から物語がはじまり、今まで打ち込んできた水泳の大会に出れず何もできないまま中学生活が終わろうとしている、やるせなさが伝わってきた。
今、このご時世で、主人公と同じ思いをした人は少なからずいるはずだ。
作中、高岡の言葉にある通り「努力が報われないことも、理不尽なことも世の中にはあるかもしれない」
しかし、それを乗り越え、続けることによって、見えて来るものがあるのではないだろうか。と訴えかけるお話でした。
登録:2022/8/26 14:42
更新:2022/8/26 14:26