作品紹介
ツツジ園のそばの小学生は、毎年咲き終わったツツジの花を摘んで、世話をしている。班に分かれてやり始めると、姫川さんが突っかかってきた。美郷は、音楽会の伴奏者のことだろうと、予想する。けれど、同じ班の沖田くんは、こう考えていた。 ツツジの花言葉は、色で違う。 赤は、燃える想い。ピンクは、愛の喜び。 じゃあ、白は? ……初恋。~作者作品紹介より~
子供の頃の記憶を思い出させるような共感性のある物語
キーアイテムのツツジが、緩衝材となって上手く使われています。
登場人物たちも個性が光っています。自信のない主人公美郷。家の事情もあり少し大人びた考えを持つ沖田君。女王様気質の姫川さん。相談役の絵美ちゃん。
主人公から見た友人の姿、友人から見た主人公の姿、第三者から見えた二人の姿には、なるほどと思わせる説得力があります。
子供から大人へと移り変わる思春期の頃の微妙な心の機微の描き方がとても上手に表現されていました。
主人公と沖田君の距離感の甘酸っぱさも素敵で、思わず応援したくなってしまいます。
読後感の良い素敵なお話です。
登録:2022/10/21 15:13
更新:2022/10/21 14:54