神獣の守護人を護衛するトウイが死ぬと、この世界はリセットされる。
これを「ゲーム」と言い切る神獣が課したクリア条件は護衛官トウイを100日間生き延びさせること。
「ゲーム」再開の度に、鍛えた筋力は元に戻り、集めたアイテムはなくなり椎名は身一つで異世界に現れる。世界の細部は毎回異なり、発生するイベントは変わるため以前の記憶は役に立たない。頼れる仲間達とは初対面を繰り返す。何度も。
物語は椎名の49回目の挑戦から始まる。
千回以上のループを繰り返す小説もある中で49回は少ない? とんでもない!
最短の挑戦で30日とある。一回の平均を60日と仮定すると48回の挑戦で8年となる、75日平均ならば10年だ。椎名は16歳のままで合計8〜10年の主観時間を生きている。
最初に助けようと決意したトウイの死は遥か記憶の彼方となり、自分の心が壊れつつあることを自覚しながら椎名はまた扉を開ける。
登録:2023/6/7 22:46
更新:2023/6/7 22:44