人のためにと心を磨き、
忌まれる力を研ぎ鍛え、
救うためにぞ動けども。
志は師に棄てられた。
義は法に捨てられた。
心は人にすてられた。
いま在るは砂漠、失意の中。
いま在るは監獄、咎の坩堝。
いま在るは謀略、叛旗の下。
力を目当てに誘われた。
利あらば拒む言葉なし。
すべては悪を除くため。
己を悪だというのなら、
悪なる力を束ねてでも、
さらなる悪を誅すまで。
されど悪は、いかにしても悪。
嘘もて欺き。
加虐を悦び。
背くを諾う。
傲慢にて嘯き、
強欲にて貪り、
嫉妬にて乱し、
憤怒にて壊し、
色欲にて耽り、
暴食にて散じ、
怠惰にて遮り、
盗む。
害す。
殺す。
悪を葬るためとても、
悪の跋扈を許すのか。
悪と悪との狭間にて、
光を求めて足掻く者。
心の支えを追い求め、
されど悪には光なく。
ならば、真は唯一つ。
◇ゼドウィックに花束を
花を捧ぐに相応しく在れ。
登録:2023/9/10 22:46
更新:2023/9/10 22:45