少年はただ生きていた。
懸命になることも、投げ捨てることもせず、ただただ生きていた。
そんなある日、少年のクラスに1人の転校生がやってくる。2年前に暴漢に襲われ死んだ仮の恋人と同じ名前の瓜二つの少女。
不本意ながら彼女と話した翌日、少年は2年と1ヶ月前に飛んでいた。
ぼんやりと恋人が助かればいいなと日々を過ごす少年は、少しずつ、少しずつ真実に気が付いていく。
彼女が死んだ理由。自分がこの時代に飛んだ理由。自分が彼女に抱く本当の気持ち。
文章の丁寧さ、描写の的確さ、なにより1ページ捲るごとに真実へと向かう展開は、終わりまで読者を放さないわ。
読者としてはもちろん、物書きの端くれとしても勉強になった作品ね。
読まずに済ますのはもったいないと思うのよ、アチシは。
是非一度ページを開いていただきたい至高の作品よ♥。
登録:2021/7/12 23:29
更新:2021/7/23 17:15