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ひたすらに透明で美しい青春小説

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無人の教室から聞こえるピアノの音。幼馴染との穏やかな日常の中に隠されていた悲しい真実……。そのラストには心をぎゅっと掴まれたような甘い苦しさを感じました。描写が繊細で、透明感のあるとても美しい青春小説でした。とても好きな作品です。

藍沢 紗夜

登録:2021/7/13 18:25

更新:2021/7/23 17:15

こちらは藍沢 紗夜さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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ディスプレイ越しに魔法をかけて

まるで青春そのもののような作品。

 この物語は、高瀬という極度に人見知りな少年と、本屋でバイトをする心優しい真衣香という少女が、バーチャルアイドルを通して次第に心を通わせていく青春小説です。バーチャルアイドルに馴染みのない私でもすらすらと入ってきて、夢中になって読み進めてしまいました。  高瀬の持つ二面性や、真衣香と高瀬が段々と距離を縮めていく過程はもちろんのこと、それぞれの登場人物の背景や関わりまで細やかに描写されており、青春小説として非常に完成度が高い作品です。また、主軸となる二人の交流のほか、真衣香とその親友の里穂のバイト先での奮闘、オズワルドの配信やライブの空気感など、読んでいて飽きないシーンが盛りだくさんで、ただ甘いだけの恋愛小説ではなく、高校生のリアルとしての物語だと思いました。  私が個人的に心に残ったのは、高瀬に想いを寄せており過激なアプローチをする岡野さんの闇に触れた部分です。狂人にも見える彼女のその内なる感情は、この作品にほろ苦いエッセンスとして加わり、より深みのある物語へと昇華されています。また、彼女に敵意を見せることなく、その闇に気付いて助けようとする真衣香をより一層好きになるシーンでもありました。  私にとってこの作品は、『思い出したくなる』物語になりました。ぜひ本棚に大切に置いておきたいような、素敵な作品です。

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藍沢 紗夜